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ドル円、トランプ・トレードで7月30日以来の高値
今週はビッグイベントが目白押しでした。5日投開票された米大統領選で共和党のトランプ前大統領の当選が確実になると、「トランプ・トレード」の動きが活発化。米国株相場は急上昇し、米国債は急落(金利は急騰)、ドルは主要通貨に対して大きく買われました。ドル円は翌7日のアジア時間でも買われ、154.71円と7月30日以来の高値を更新しています。
ただ海外市場に入ると、若干伸び悩み。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表が近づく中、米長期金利の低下に伴うドル売りが出たようです。FOMCの結果が伝わると下げ渋る場面もありましたが、やや戻りは鈍いようです。週末8日の海外市場では152.14円まで下押ししています。
*Trading Viewより
なお、FOMCでは市場予想通り0.25%の利下げとなりました。声明では「FF金利の目標誘導レンジの追加調整を検討するに当たり、委員会は今後もたらされるデータ、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に評価する」などと指摘され、前回までの「インフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信を強めている」との文言が削除されています。
また、パウエルFRB議長はFOMC後の会見で「短期的には、選挙は政策に影響しない」としたうえで、「我々はあらかじめ決められたコースを進んでいるわけではない。FRBは会合ごとに決定を下し続ける」と話し、データ次第で利下げペースを決める姿勢を強調しています。
投機筋の円売りポジション、拡大
ヘッジファンドによる円売りポジションが拡大しています。投機筋は今年7月には過去17年間で最大規模となる円売りポジションを構築していました。米商品先物取引委員会(CFTC)が先週日発表した7月2日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の売り越し=ドル円のロングは18万4223枚と2007年6月(18万8077枚)以来の高水準を記録。
ただ、そのあとは一転して円買いポジションを構築する動きが続き、9月24日時点の投機筋のポジションは6万6011枚の円買い越しと、2016年10月以来の円買い越し=ドル円のショートとなりました。
*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
しかしながら、この動きも一服し、投機筋のポジションは円売りに傾いています。昨日11月8日(日本時間9日早朝)に発表された11月5日時点の建玉報告によると、投機筋の円の対米ドルポジションは4万4167枚の円売り越しと前の週から1万9350枚も増えたことが明らかになりました。投機筋の円売りポジションが順調に拡大していることが分かります。
さらなる上昇を期待して
私は「高市氏勝利」と「年末ラリー」を期待して、9月26日にドル円を「144.655円」でロングしていました。「石破ショック」でロスカットを覚悟していましたが、設定した水準を割り込むことはなく、するすると上げてしまいました。正直、早々にロスカットになると思っていました。
*IG証券より
ドル円の日足チャートを見ると、1年2カ月ぶりの安値139.58円という、かなり分かりやすい下値目処が出来ており、ストップロスはここより若干下の「139.50円」に設定しています。今週末も重要なポイントとして意識される200日移動平均線が位置する151.68円を週末の終値(152.64円)で上回っていることもあり、さらなる上昇を依然として期待しています。
200日移動平均線は重要な中期線として、機関投資家など多くの市場参加者が注目するポイントになっています。テクニカル的なサポートやレジスタンスとしてだけではなく、ここを中心に投資家心理も大きく変わってくると言われています。
クリスマスラリーに向けて仕込み時か!?
ドル円の今週の動きを見ると、節目の155.00円や7月30日の高値155.22円、7月18日の安値155.38円がレジスタンスとして意識されて伸び悩む場面もありましたが、下押しは限定的となっています。
米国株市場のアノマリーのひとつで『クリスマスラリー』(サンタクロースラリーとも呼ばれる)というものがありますが、これは「12月のクリスマス後から新年の1月にかけて株価が上昇しやすい」現象を指します。12月は節税対策による株売りなど指摘されますが、クリスマスを過ぎた頃から節税対策の売りが一巡し、買い戻しが入ることで株価が上昇しやすいと言われています。日本でも「掉尾(とうび)の一振」という格言がありますね。
ドル円と株価が連動するならば、下押しを拾っていき、年末から新年にかけての上昇を期待したいところ。「押し目買い」が有効になる可能性もありそうです。市場では「マーケット参加者は円売りに傾き、円安進行を食い止めそうな目ぼしいプレーヤーは政府・日銀のほかに見当たらない。再び160円の大台に到達する展開が現実味を帯びてきた」との声が聞かれています。
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