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米長期金利は低下、FRB高官のハト派(dovish)発言相次ぐ
このところ米連邦準備理事会(FRB)高官が相次いで追加利上げに慎重な姿勢を示していることから、米金融引き締めが長く続くとの警戒感が和らいでいます。米長期金利の指標である米10年債利回りは先週、9月米雇用統計の結果を受けて一時4.88%台まで上昇しましたが、その後、ジェファーソンFRB副議長らが国債利回りの上昇を通じた金融環境の引き締まりについて言及し、追加利上げの必要性の低下を示唆。昨日12日には4.53%台まで低下する場面もみられました。
*Trading Viewより
最近のFRB高官の「ハト派的な発言」は以下の通り。
★デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「労働市場が冷え込み、インフレ率が目標に戻りつつあることが続けば、金利を安定的に維持し、政策の効果を持続させることができる」「このところの国債利回りの上昇はFRBに代わりある程度の仕事をしているため、われわれが一段の行動をとる必要性は薄れている」
★ボスティック米アトランタ連銀総裁
「政策は十分に制約的であり、これまでのFRBによる利上げの多くの影響はこれから明らかになる」「これ以上の利上げは必要ないと考える」
★ジェファーソンFRB副議長
「追加的な金融引き締めが必要な程度を慎重に評価する段階にきている」「この先、債券利回り上昇を通じた金融環境の引き締まりを引き続き認識し、将来の政策軌道を判断するに際してそのことに留意する」
★ローガン米ダラス連銀総裁
「米長期債利回りの急上昇は金融当局による追加利上げの必要性を減らす可能性がある」
★ウォラーFRB理事
「金融市場がタイト化する中、FRBは金利に関してある種、状況を見極める立場にある」
★コリンズ米ボストン連銀総裁
「長期利回りの上昇は、金融環境の幾分の引き締まりを示唆する」「利回りの上昇が続けば、短期的には金融政策をさらに引き締める必要性は低下する可能性が高い」
米ウォールストリート・ジャーナルのFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者も「債券利回りの上昇はFRBの利上げ休止期間を延長する可能性が高い」「FRB高官は、長期金利の上昇が中銀の追加利上げに代わる可能性を示唆している」と指摘してます。
初めての米国債(CFD)買い、そろそろ底打ちかと思ったら・・・
このようにFRB高官のハト派(dovish)発言が相次いだことから、週半ばまでは米長期金利が低下=債券価格は上昇を維持していました。「米国債相場はいよいよ反発か!?」と考え、週明け早々に米国10年国債先物($10)=CFDをロング。ロットは「1」、約定レートは「10741.8」。債券先物CFDの取引は初めてですが、チャート的にはいったん底打ちのようにも見えてます。特に昨日の9月米消費者物価指数(CPI)の発表までは・・・。
*IG証券より
それまでは含み益を見ることが出来ていましたが、米CPI後の金利急騰=価格急落で含み損に転じています。13日朝の時点で「未実現損益」は「▲133ドル(19900円程度)」となっています。
さて、その米CPIですが、結果は前年同月比で3.7%上昇と予想の3.6%上昇を上回る結果に。エネルギーと食品を除くコア指数は前年同月比4.1%上昇と市場予想と一致。市場では「根強いインフレを示す内容だった」と受け止められたようです。また、NY午後に実施された米30年債入札が「不調」だったことも債券相場にマイナスとなりました。今週は3年債と10年債の入札もありましたが、総じて「低調」な結果となっています。
PIMCOは語る「魅力的な債券リターンの時代へ」
パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は11日のレポートで、「急上昇した利回りとリセッション(景気後退)リスクという組み合わせにより、投資家は『極めて魅力的な』債券リターンの時代を迎えるとみている」と指摘しています。ヘッジファンドは現在、米国債を過去最大のショートポジションにしているとのデータがある中、PIMCOは「強気のスタンス」をとっています。
PIMCOは「今後数四半期に米英欧などの主要中央銀行が利上げサイクルの終わりに近づき、利下げをちらつかせるだろう」と予想。「米国や豪州、カナダ、ユーロ圏、英国の債券市場から魅力的なリターンが生まれる可能性がある」としています。
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