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ドル円、10月21日以来の149円台に下落
今週のドル円相場は軟調な展開となりました。「トランプ・トレード」が鮮明になる中で、米国株相場は史上最高値を更新し、米長期金利の指標となる米10年債利回りは4.50%台に乗せ、ドル円も15日には一時156.75円と7月23日以来の高値を更新していましたが、そのあとは一転してさえない展開となりました。米国株相場は今週も堅調で史上最高値を更新していますが、米連邦準備理事会(FRB)による12月利下げを織り込む向きが増える中、米10年債利回りが一時4.1685%前後と10月22日以来の低水準を付けており、ドル売りを誘った面がありました。
*Trading Viewより
また、29日の東京時間発表の1月東京都区部消費者物価指数(CPI)の生鮮食料品除く総合が予想を上回ったことを受けて、日銀が12月に追加利上げに踏み切るとの観測が高まっており、円買いを促しています。日銀の金融政策予想を反映するオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では、12月に政策金利を0.25%程度引き上げる確率は6割程度となっています。
さらには、植田和男日銀総裁が日経新聞とのインタビューで、「(追加利上げの時期について)データが想定通りに推移しているという意味では近づいているといえる」「インフレ率が2%を超え始めているときに一段の円安になれば、それは中銀にとってはリスクが大きい動きとして、場合によっては対応しないといけなくなる」と発言。感謝祭ウィークの週末NY午後(日本時間の夜中2時)という非常に市場流動性が低い中でのヘッドラインに円買いで反応しています。
いつも思うのですが、日本時間の夜中2時に重要な発言・観測記事を出すのはどうなのでしょうか?この植田総裁のインタビュー自体は28日に実施されており、もっと早く掲載できたのでは?と勘繰ってしまいます。
投機筋の円売りポジション、依然として4万枚超え
ヘッジファンドの円の対米ドルポジションは依然として4万枚を超えています。投機筋は今年7月には過去17年間で最大規模となる円売りポジションを構築していました。米商品先物取引委員会(CFTC)が先週日発表した7月2日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の売り越し=ドル円のロングは18万4223枚と2007年6月(18万8077枚)以来の高水準を記録。
その後は一転して円買いポジションを構築する動きが続き、9月24日時点の投機筋のポジションは6万6011枚の円買い越しと、2016年10月以来の円買い越し=ドル円のショートとなりました。
*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
しかしながら、この動きはさらに一転し投機筋のポジションはいっきに円売りに傾いています。先週11月22日に発表された11月19日時点の建玉報告によると、投機筋の円の対米ドルポジションは4万6868枚の円売り越し。前の週から1万8034枚減ったとはいえ、依然として4万枚を超えています。
なお、今週は米国が感謝祭ウィークということで、通常金曜日に発表される最新のポジション動向は来週12月2日(月)に公表されることになっています。
早めのポジション切りも視野に入れるべきか?
私は「高市氏勝利」と「年末ラリー」を期待して、9月26日にドル円を「144.655円」でロングしていました。「石破ショック」でロスカットを覚悟していましたが、設定した水準を割り込むことはなく、するすると上げてしまいました。正直、早々にロスカットになると思っていました。
ドル円の日足チャートを見ると、1年2カ月ぶりの安値139.58円という、かなり分かりやすい下値目処が出来ており、ストップロスはここより若干下の「139.50円」に設定しています。
*IG証券より
ただし、今週末は重要なポイントとして意識される200日移動平均線が位置する「152.00円」を週末の終値(149.77円)で明確に、大きく下回っています。一目均衡表チャートでも「均衡表の逆転」「遅行スパンの逆転」となり、テクニカル的には下サイドへの注意が必要な状況。市場では「投機筋の円売りポジションについて、さらなる手仕舞いの可能性にも警戒しておきたい」との声が聞かれています。早めのポジション切りも視野に入れるべきか?
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