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ドル円、米CPI下振れで急落 介入観測も
今週のドル円は荒い値動きとなっています。今月3日には一時161.95円と1986年12月以来約37年半ぶりの高値を付けましたが、その後上昇は一服。昨日11日の6月米消費者物価指数(CPI)が予想比で下振れると、米金利の急低下とともに急ピッチで円高・ドル安が進行しました。政府関係者の話として「政府・日銀が為替介入を実施した」との一部報道も伝わる中、昨日NY時間には一時157.44円まで値を下げています。
*Trading Viewより
12日の東京市場に入ってからも乱高下しており、ショートカバーが先行し159.45円まで値を上げたあとは157.76円まで急落。その後すぐに159.41円まで買い戻されましたが、再び158.00円まで下落し、さらには仲値にかけて実需の買いが観測されると159.39円まで再び上昇するなど、かなり荒い値動きとなっています。
注目の6月米CPI
米労働省が昨日11日に発表した6月米CPIは事前予想を下回り、物価上昇圧力が着実に低下していることを裏付けました。前年同月比では3.0%と前月の3.3%から3カ月連続で低下。前月比では▲0.1%と2022年7月以来のマイナスとなりました。変動の激しいエネルギーと食品を除くコア指数も前月比0.1%と予想の0.2%を下回り、3カ月連続で上昇幅を縮小。基調的な物価上昇率が着実に低下していることを示しています。
*CME FedWatch Toolより
予想外に下振れた6月米CPIを受けて、金融市場では9月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備理事会(FRB)が利下げに踏み切るとの見方が一段と強まっています。市場が織り込む9月の利下げ確率は90%を超えており、据え置きはわずかに7.5%程度。
*CME FedWatch Toolより
今後は年内の利下げ回数の見通しが2回から3回へと増える可能性があり、それが一段の米長期金利の低下とドル安をもたらす可能性があります。
政府・日銀によるまさかの押し下げ介入?
昨日11日の米CPI発表後に急速にドル円は4円以上も急落しましたが、政府関係者の話として「政府・日銀が為替介入を実施した」と伝わっています。短時間で4円以上も円高・ドル安が進んだことは「政府・日銀による為替介入の実施」を強く疑わせるものですが、本日12日夕刻の「日銀当座預金見通し」では「約3.5兆円の円買い介入が実施された可能性」が示唆されています。
今月末に退任する財務省の神田真人財務官は介入の有無について「コメントする立場ではない」との不思議な発言を繰り返していますが、同時に「ファンダメンタルズに沿った合理的な動きとは言えない」「投機が支配しているマーケットになっていると言われている」「1カ月で5%も動いていて、かなり動いている」「最近は金利差が縮小しており、円安の動きは投機と考えるのが自然」と述べ、最近の動きがいかにも「投機的かつファンダメンタルズに沿っていない」との見方を強調。市場では「4月末、5月初めに続き、今年3回目の円買い介入が実施された可能性が高いだろう」とされています。
なお、「今までの為替介入と大きく異なるのは、円安が進んだ局面で円買い介入を実施するのではなく、(米CPI発表後に)円高が進んだ局面でドル円を押し下げる目的の『押し下げ介入』が実施されたと見られる点がサプライズだ」との指摘がありました。「何らかの材料をきっかけに一時的に円高に振れた局面を捉えての押し下げ介入は非常に有効な介入となることがある」といいます。
ドル円、いわゆるスケベショート
神田真人財務官は今月末に3年の任期を終えますが、「その前にこの歴史的な円安進行を阻止し、決着をつけておきたいという思いがあるのでは」との見方が浮上しています。「退任前の断固たる決意」を信じて、介入に便乗したショート(いわゆるスケベショート)を1ロット、159.082円で建ててみました。ここからはしばらく売り上がっていきたいところです。
*IG証券より
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