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地政学リスクへの警戒高まる
11月初旬は米大統領選や米連邦公開市場委員会(FOMC)などビッグイベントが目白押しとなり、「トランプ・トレード」が鮮明になりました。ドル円は先週15日に156.75円と7月23日以来の高値を更新していますが、今週は153円台前半から155円台後半でのもみ合いに。
今週はロシアが核兵器を使用するための条件を示した「核抑止力の国家政策指針」(核ドクトリン)を改定したと伝わったほか、ウクライナは米国から供与された長距離地対地ミサイルを使ってロシアの軍事施設を攻撃したと報じられ、ロシアとウクライナを巡る地政学リスクへの警戒感が高まりました。ただ、リスク回避の円買いは一時的なものにとどまり、ドル円自体は大きな方向感が出ませんでした。
*Trading Viewより
ただ、今週は「ユーロドル」の下落が鮮明になりました。ロシアとウクライナを巡る一連の報道をきっかけにリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが強まったほか、「ユーロ圏経済の先行き懸念から欧州中央銀行(ECB)が12月に追加利下げを決めるとの見方が根強く、ユーロ売りが出やすい地合いだ」との声が聞かれています。その背景にはドイツでの連立政権崩壊やフランスでの予算案を巡る対立といった政治の不確実性が意識されることなどがあるようです。
*Trading Viewより
22日発表の仏・独・ユーロ圏の購買担当者景気指数(PMI)が低調な内容となり、ユーロ圏の景況感悪化が示されるとユーロ売りがさらに進行。重要なサポートとして意識されていた昨年10月3日の安値1.0448ドルを下抜けて一時1.0335ドルと2022年11月以来2年ぶりの安値を更新しています。市場では「ウクライナ情勢の緊迫化にユーロ圏景気の失速懸念が重なり、独長期金利の低下とともにユーロ売りが膨らんだ」「トレーダーらはECBによる大幅利下げへの観測を強めた」との声が聞かれています。なお、市場が織り込む12月の0.50%利下げの確率は前日21日の約15%から50%に急上昇しています。
投機筋のユーロ売りポジション、再び5万枚に迫る
ヘッジファンドによるユーロ売りポジションが拡大しています。米商品先物取引委員会(CFTC)が今月初めに発表した10月29日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)のユーロの売り越し=ユーロドルのショートは5万304枚と2020年3月以来の高水準を記録。投機筋は4年半ぶりのユーロ売りポジションを構築していました。
*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
昨日11月22日(日本時間23日早朝)に発表された11月19日時点の建玉報告によると、投機筋のユーロの対米ドルポジションは4万2557枚のユーロ売り越しと前の週から3万5120枚も増えたことが明らかになりました。投機筋のユーロポジションが大幅に拡大していることが分かります。
さらなる上昇と下落を期待して
私は「高市氏勝利」と「年末ラリー」を期待して、9月26日にドル円を「144.655円」でロングしていました。「石破ショック」でロスカットを覚悟していましたが、設定した水準を割り込むことはなく、するすると上げてしまいました。正直、早々にロスカットになると思っていました。
*IG証券より
ドル円の日足チャートを見ると、1年2カ月ぶりの安値139.58円という、かなり分かりやすい下値目処が出来ており、ストップロスはここより若干下の「139.50円」に設定しています。今週末も重要なポイントとして意識される200日移動平均線が位置する「151.95円」を週末の終値(154.78円)でしっかりと上回っていることもあり、さらなる上昇を期待しています。
一方で、ユーロドルは重要なサポートとして意識されていた昨年10月3日の安値1.0448ドルを下抜けて、1.0335ドルと2年ぶりの安値を更新しています。約2年続いたレンジ相場の下抜けとあってさらなる下落も予想されるため、戻りを積極的に売っていきたいところです。
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