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米国債のロングポジション、含み損から含み益に
先月9日、米国10年国債先物($10)=CFDをロングしました。ロットは「1」、約定レートは「10741.8」。先週末時点で「未実現損益」は「▲1118ドル(▲16万8000円程度)」とかなりの含み損になっていました。前々週の「▲1977ドル(▲29万6000円程度)」からは含み損が縮小していたとはいえ、なかなかつらい日々を過ごしていました・・・
しかし、ついに今週、含み益ゾーンに回帰しました。本日3日朝の時点で「未実現損益」は「85ドル(1万2000円程度)」となりました。
*IG証券より
今週の材料は軒並み金利低下を誘う
今週は重要なイベントが相次ぎましたが、軒並み債券買い=金利低下を誘う要因となりました。まずは何と言っても超重要イベントである米連邦公開市場委員会(FOMC)。
*Trading Viewより
FOMCは1日、市場予想通りFFレート誘導目標を5.25-5.50%に据え置くことを決めたと発表。声明では「委員会の目標の達成を妨げる可能性があるリスクが生じた場合、委員会は金融政策の姿勢を適切に調整する準備がある」との姿勢を維持しました。また、パウエルFRB議長は会見で「政策スタンスは制限的、引き締めの完全な影響はまだ感じられない」「これまでの進展を考慮し、FOMCは慎重に進んでいる」「FOMCは次回会合の行動についてまだ決定していない」「(利上げ)サイクルの終わりに近づいている」などと発言しています。
市場では「FOMC声明とパウエル議長のいずれも総じてハト派的な印象だ。前回会合以降の景気上振れサプライズをタカ派的に解釈することも可能だった点を考慮すれば、FOMCが長期間の金利休止に傾いていることがうかがわれる」「2回連続で利上げを見送ったということは12月も金利据え置きの可能性があることを示唆。そうなればFRBの利上げサイクルが終了したことを意味する」との声が聞かれています。FF金利先物市場ではFRBは利上げを終了し、来年6月までに利下げを開始するとの見方が強まりました。
*CME FedWatch Tool
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、12月のFOMCでは金利据え置きの確率が80%、0.25%の利上げ確率が20%となっています。
米財務省、四半期入札の規模拡大ペースを鈍化
市場でFOMC並みに重要視されていた「米財務省の四半期定例入札の規模」も債券買い=金利低下を誘いました。米財務省は四半期定例入札の規模を前四半期に比べて拡大しましたが、増額ペースは大半の予想を下回りました。ここ数カ月の米国債利回り急上昇を当局が懸念している可能性が示唆されました。
同省の発表によれば、来週の入札での中長期債の発行額は計1120億ドルと予想の1140億ドルを若干下回りました。前回8月の定例入札と大きく異なるのが、10年債と30年債の発行ペースを減速させたことです。一部では「年限が長めの国債発行についてはもっと大きく減速させる」との予想もありました。
なお、来週の四半期定例入札の内訳は以下の通りとなっており、結果次第では再び米債利回りの動きが荒くなる可能性もあります。
7日 3年債(480億ドル)
8日 10年債(400億ドル)
9日 30年債(240億ドル)
「底入れ判断は時期尚早」との声も
しかしながら、米国債相場の下落=金利上昇が「最悪期を脱した」と見方は「時期尚早」との慎重な声もあるようです。米10年債利回りについては「再び5%まで上昇する」との予想や、「2007年以来の水準となる5.25%でピークをつける可能性がある」との記事も。
また、「パウエルFRB議長は追加利上げの選択肢を温存しており、経済が今後も想定以上の成長を遂げれば、利回りは直近の高水準を再び試す可能性がある」「FRBが引き締め政策を終了した可能性は極めて低い」との指摘もありました。
もっとも、ヒアリングしているヘッジファンドやその関係者自身が米国債をショートにしている可能性があるだけに、「ポジショントーク」の可能性があることには留意しておくべきでしょう。何せ、ごくごく最近までは「ヘッジファンド、米国債ショートが過去最大」との見出しが溢れていましたので。
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