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ドル円、底打ちしたのでは?
ドル円は今月5日に141.70円と1月2日以来の安値まで急落し、「セリング・クライマックス」的な動きを演出し、そのあとは戻りを試す展開となっていました。15日には149.39円まで買い戻される場面がありました。
先週は弱含む展開でしたが、今週は底堅く推移して週末の取引を終えています。SNS上では「二番底なんてない」との声も聞かれていましたが、個人的にも「底打ちしたのでは?」との印象です(バイアスのかかった見方)。
*Trading Viewより
今週29日に発表された4-6月期米国内総生産(GDP)改定値は前期比年率3.0%増と予想の2.8%増を上回り、速報値から上方修正されました。これを受けて米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが進みました。また、昨日30日発表の7月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)は前年比2.5%と市場予想通り、変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターは前年比2.6%と予想の2.7%をわずかに下回りました。ただ、こちらは米インフレの鈍化傾向が続く中、米経済は底堅さを保っていると受け止められたことから、米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢となりました。
市場では「FRBの9月利下げは織り込み済みだが、大幅な利下げに対する観測は幾分後退。指標発表直後に米長期金利が上昇したため、ドル買いが進んだ」との声が聞かれています。テクニカル的にも今後、底堅い展開が続き、ダブルボトムを形成し、二つの安値の間にある高値=ネックライン(8月15日の高値149.39円)を上回れば「買いのサイン」=「底入れ」。期待したいところです。
ユーロ円などクロス円も底堅く推移しています。ナイト・セッションの日経平均先物の上昇に伴う買いが入ったようですが、日経平均先物は大証終値比360円高の3万9070円まで上昇する場面がありました。
日経平均株価、1カ月ぶり高値 月間で454円安
なお、5日に前営業日比4451円安と過去最大の下落幅を記録するなど(次の日は最大の上昇幅)値動きが激しくなった8月の日経平均株価は、なんと月間で454円安となりました。たったの454円安?という印象ですが、値幅は7189円で当然過去最大となっています。
*Trading Viewより
ドル円は日経平均に連動しやすいことから、日経平均がこのまま落ち着いた値動きとなってくれば、ドル円の上昇にも期待が持てそうです。今週は特に「ドル円は日経平均連動型の短期勢中心の相場展開」となっていましたが、「引き続き実需の買い意欲は強いまま」と言います。実需の買いもドル円の支援材料となりそうです。
投機筋のポジション、依然として円買い越し
ヘッジファンドによる円売りポジションは先月、過去17年間で最大規模に膨らみました。米商品先物取引委員会(CFTC)が先週日発表した7月2日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の売り越し=ドル円のロングは18万4223枚と2007年6月(18万8077枚)以来の高水準を記録。円先物が導入された1986年以来でも屈指の規模となりました。
*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
ただ、昨日30日(日本時間31日早朝)に発表された8月27日時点の建玉報告によると、投機筋の円の対米ドルポジションは2万5868枚の円買い越し。依然として2021年2月以来の円買い越し=ドル円のショートとなっています。
週足の一目均衡表チャートを見ると
ドル円の週足の一目均衡表チャートを見ると、引き続き雲の中(雲下限:140.77円、雲上限:146.62円)に入り込んだままとなっています。今週の終値が146.17円ですので、あともう少しで雲上限146.62円を突破できそうに見えます。
*Trading Viewより
タイミングとしては「気が早い」と言われる状況ですが、27日に145.05円、28日に143.965円で各ロット「1」、ロングしています。なお、「今回のPCEでは米インフレの鈍化傾向が続いていることが示された。マーケットの関心は利下げ時期から今後の利下げペースに移っており、FRBの金融政策を見極めるうえで来週発表される8月米雇用統計が注目される」との指摘がありました。
*IG証券より
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