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ドル円、週末にかけて強含む
今週のドル円は週末にかけて強含む展開でした。週明け16日はイスラエルとイランを巡る地政学リスクが高まる中、「有事のドル買い」が先行しましたが、「イランはイスラエルとの戦闘緩和にオープン」との一部報道が伝わると、足もとで進んでいた「株安・原油高・ドル高」を巻き戻す動きが優勢となり伸び悩みました。ただ、イスラエルとイランの軍事衝突が激化し、世界経済に悪影響を及ぼすとの懸念が高まる中、やはり「有事のドル買い」は根強く、ドル円はじり高の展開が続きました。
一方で、トランプ米政権は19日、イスラエルと交戦するイランへの攻撃について「2週間以内」に判断する方針を表明。外交的解決の余地が残されたことを受けて、投資家のリスク志向が改善すると円売りの様相も目立ちました。結局、ドル円にとっては「ドル高」と「円安」の両方が作用する形となり、週末NY午後には146.22円と5月29日以来の高値を更新しています。
*Trading Viewより
また、今週は中東情勢以外にも重要なイベントが相次ぎました。その中でも一番のイベントは米連邦公開市場委員会(FOMC)でしょう。米連邦準備理事会(FRB)は17-18日に開いたFOMCで市場予想通り政策金利を4.25-4.50%で据え置くことを決めたと発表しました。声明では「経済の見通しを巡る不確実性は低下したものの、依然として高い」との見解が示され、「失業率とインフレ率の上昇リスクが高まった」との文言が削除されました。
同時に公表されたFOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット)では、2025年末時点の中央値が3.875%で据え置かれ、年内の利下げ回数が2回と前回の想定が維持されました。
また、パウエルFRB議長は会見で「労働市場の状況は引き続き堅調」「調整を行う前に、より詳細な情報が得られるまで待つのが適切」「労働市場は利下げを強く求めていない」と述べ、改めて早期利下げに慎重な見方を示しています。
*FRBのHPより
なお、ドット・プロットでは年内の利下げ回数が2回に維持されています。市場では年内の利下げ回数が1回に減ると見込まれていたことから、この点については「ハト派的」な印象を受けますが、年内に「利下げなし」を見込む参加者は、前回の4人から7人に増えています。さらに2026年・27年末時点の金利見通しは上方修正されていますので、「タカ派的な内容」と言えそうです。
ドル円の一目均衡表チャートを見ると
ドル円の一目均衡表チャートを見ると、薄くなりつつある雲を週末の終値(146.09円)で上抜けました。20日取引終了時点では雲の上限(145.55円)、下限(144.89円)、転換線(144.51円)、基準線(144.20円)となっており、全て上抜けています。来週以降はテクニカル的にも買いが入りやすいと想定されます。このところ、中東情勢の緊迫化=有事のドル買い、中東情勢の懸念緩和で株高=円売りが目立っており、ドル円自体は上昇しやすい地合いとも言えます。そこにテクニカル的な買いが入れば、さらなる上昇が期待されます。5月29日の高値146.28円を突破出来れば上昇余地が広がり、5月12日の高値148.65円まで上値を伸ばす可能性もありそうです。
*Trading Viewより
ある市場関係者からは「150円を超えるような円安局面は終わったように見えるが、円安局面はまだ完全には終わっていない。根っこにあるのは【日本の弱さ】で、ここを変えられるかが真の円安是正を左右する」との声も聞かれています。
なお、現在のポジションはドル円ロング@144.235円。来週以降は買い増しを検討していきたいところです。
*IG証券より
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