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ドル円、いったん底打ちか!?
今週のドル円は下値が堅い印象でした。震源地とも言える米国株相場もひとまず下げ渋りの動きを見せていますので、ドル円はいったん底を打ったと判断して、ポジションを構築しました。ロットは「2」、平均約定レートは「148.895円」となっています。ストップロスは直近の安値である3月11日の安値146.54円よりやや下の「146.50円」に設定しています。
*IG証券より
先週こそ、トランプ米政権による関税政策などを背景に米景気懸念が一段と高まり、米国株もドル円も軟調に推移しました。11日の東京市場では日経平均が一時1000円超の急落となり、ドル円は一時146.54円と昨年10月以来約5カ月ぶりの安値を更新しました。
ただ、今週は日銀金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)というビッグイベントをこなしつつ、下値を切り上げる動きとなっています。日銀金融政策決定会合自体は市場予想通り政策金利が据え置かれましたが、植田和男日銀総裁が記者会見で「トランプ米政権の関税政策に対する不確実性」を示すと、市場では「日銀が利上げに慎重な姿勢を見せた」との受け止めが広がり、ドル円は150円台に乗せる場面がありました。
*Trading Viewより
ただ、FOMC結果公表後は米長期金利の低下とドル売りが進みました。FOMC金利見通しでは、年内の利下げ回数が2回と前回の想定が維持され、米政権による関税政策で物価上昇圧力が強まる中でも利下げが続くとの見方が強まりました。もっとも、株価の下げ渋りの影響もあり、ドル円は148.18円を安値に週末には149.66円まで持ち直しています。
なお、パウエルFRB議長は定例記者会見で「調査では関税がインフレ期待を押し上げていることが示唆されている」「インフレ期待上昇、かなりの部分が関税に起因」「新たな政策とその影響に関する不確実性は高い」「今年のインフレのさらなる進展が遅れる可能性」と述べたほか、「基本シナリオは関税によるインフレは一時的なものになる」「リセッションの確率は上がったが高くはない」などと話しています。
投機筋の円買いポジション、いよいよ巻き戻しスタートか!?
米商品先物取引委員会(CFTC)が3月21日(日本時間22日早朝)に発表した3月18日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対ドル持ち高は12万2964枚の円買い越し(ドル円のショート)と前週から1万938枚減少しました。
*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
昨年7月2日には18万4223枚の円売り越し(ドル円のロング)となり、2007年6月(18万8077枚)以来の高水準を記録していましたが、そのあとは一転して円買いポジションを構築する動きが目立ちました。そして、先週は一気に10万枚の大台を突破し、13万枚の円買い越しになっていました。しかしながら、今週は統計開始以来、最大の円買いポジションが縮小。「いよいよ巻き戻しスタートか!?」との思惑が台頭する可能性もありそうです。
内訳をみてみると、円ロングは16万6752枚と先週の17万6790枚から減少しており(円ショートは4万1788枚と先週の4万2888枚から若干減少)なっており、円ロングのポジション自体が縮小していることが分かります。
*CFTC HPより
ドル円の一目均衡表チャートを見ると
先週からドル円の動きを見ると、投機筋の円買いに「息切れ」を感じます。日米金利差は依然として4%近く開きがあり、ドル円のショートを維持するためにはこの金利差分の金利を毎日支払わなければなりません。何かしらの材料がきっかけで円買いポジションの解消に伴う急速な円安・ドル高圧力が生じる可能性もありますし、きっかけがなくとも今後円高が進みにくいとなれば、ポジション解消の動きが突如広がることが想定されます。
*Trading Viewより
ドル円の一目均衡表チャートを見ると、転換線(148.35円)を2週連続で週末の終値(149.32円)で上回っており、テクニカル的にも「底打ち感」が出ています。また、最近の傾向として東京市場に入ると「本邦実需の買い」が断続的に観測されます。市場関係者からは「ドル円は本邦勢の買い需要に支えながら、大きなポジションのアンワインディングへと改めてトライしていくことになりそうだ」との声が聞かれています。
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