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ドル円、今週はやや底堅かったか!?
今週のドル円は前半もみ合いの展開が続いていましたが、終盤強含む展開。週明け2日はトランプ米大統領が「鉄鋼・アルミニウムに課す追加関税を50%に引き上げる方針」を表明したほか、「中国が米国との合意に完全に違反した」と主張し、中国に対し厳しい措置を取る可能性を示唆したことから、貿易摩擦激化への懸念が再燃。ドル円は142円台まで値を下げました。この日発表の5月米ISM製造業景況指数が予想より弱い内容となったこともドル売りを促しました。ただ、翌3日は4月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が予想を上回ったことで144円台まで上昇しました。
*Trading Viewより
もっとも、4日にはトランプ米大統領がSNSに「私は中国の習主席が好きだし、これまでも、そしてこれからも好きだが、彼は非常にタフで、取引するのが非常に難しい」と投稿。米中協議の先行き不透明感が改めて意識されて円買い・ドル売りが進みました。さらには、5月ADP全米雇用報告や5月米ISM非製造業景況指数が予想を下回ったことで再び142円台まで下げました。
ただ、5日には米中首脳電話会談を受けて、貿易摩擦が激化するとの懸念が和らいだことから再び反発。週末6日には5月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比13.9万人増と予想の13.0万人増を上回り、平均時給が前月比0.4%/前年比3.9%と予想の前月比0.3%/前年比3.7%より強い内容だったことから、145円台まで上昇しました。週末の終値は144円台後半となっており、結局今週は142―144円台でもみ合いとなりました。
投機筋の円買いポジション、縮小
米商品先物取引委員会(CFTC)が6月6日(日本時間7日早朝)に発表した6月3日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対ドル持ち高は15万1149枚の円買い越し(ドル円のショート)と前週から1万2863枚減少しました。
*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
投機筋の円のポジションは昨年7月2日には18万4223枚の円売り越し(ドル円のロング)となり、2007年6月(18万8077枚)以来の高水準を記録していましたが、そのあとは一転して円買いポジションを構築する動きが優勢に。4月29日には17万9212枚と過去最大を更新しています。これ以降はその動きが一服となっており、「ポジションの巻き戻しが始まるか?」と注目が集まるところです。いまだ15万枚を超える円買いポジションであり、依然として高い水準にあると言えます。
もっとも、ポジションは大きく偏っている状況ですが、市場関係者からは「円買い・ドル売り意欲は衰えない可能性がある」「日米交渉の先行き不透明感も引き続き円買い・ドル売り要因」との声が聞かれています。
訪米中の赤沢亮正経済再生相は7日、5回目の日米関税協議終了後に「合意の実現に向けた議論がさらに進展したとは言える」としながらも、「一致点は見いだせてない」と述べています。また、「米国による一連の関税措置への見直しを改めて求めた」とし、「貿易の拡大、非関税措置、経済安全保障面での協力などについて集中的に協議を重ねていることができている」「日米間で精力的に調整を続けることを確認した」と発言していますが、それ以上の詳細は説明を避けています。
ドル円の一目均衡表チャートを見ると
ドル円の一目均衡表チャートを見ると、雲に上値を抑えられる展開が続いていましたが、週末には終値で雲の中へ。6日取引終了時点では雲の上限(145.68円)、下限(144.23円)、転換線(144.20円)、基準線(145.38円)となっており、雲下限と転換線は週末終値(144.85円)で上回っています。5月29日に付けた146.28円を上抜けることが出来れば、さらに上値を試す展開も期待できそうです。
*Trading Viewより
なお、現在のポジションはドル円ロング@144.235円。来週以降も押し目を拾いたいところです。
*IG証券より
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