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ドル円、139.89円⇒144.03円まで反発
今週のドル円は一時139.89円まで売られましたが、そのあとは144.03円まで反発する、底堅い展開となりました。22日の東京市場ではパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長解任の可能性などを巡ってドルの信認問題が浮上する中、日米財務相会談での円安是正議論への思惑などから円高・ドル安が進み、一時139.89円まで値を下げました。
ただ、23日にはトランプ米大統領が「パウエルFRB議長を解任する計画はない」と発言したことで、足もとで進んでいた米国の「トリプル安(株安・債券安・通貨安)」を巻き戻す動きが活発化しました。週末にかけては「中国は米製品に対する報復関税について、一部輸入品の適用除外を検討」との報道や、トランプ米大統領が「中国の習近平国家主席から電話があった」と明らかにしたことを受けて、米中貿易摩擦の緩和期待が高まり、さらにドル円を押し上げる格好に。
なお、中国政府は「中国と米国は関税に関する協議や交渉を行っていない」「米国は協議に関し国民をミスリードすべきではない」と表明しています。どちらが真実かは今のところ不明です。
*Trading Viewより
今週、最も注目された日米財務相会談では「為替目標について協議されなかった」と伝わりました。加藤勝信財務相は日本時間25日の早朝(NYクローズ後)に記者会見を開き、「米国から為替水準の目標や、それに対する枠組みの話は全くなかった」と発言。ベッセント米財務長官が23日には「特定の通貨目標を求める考えはない」と表明していたため、大きく円安・ドル高方向に動くことはありませんでしたが、市場では「為替の話があるのでは」との警戒感がくすぶっていただけに、円売り・ドル買いがじわりと強まりました。その日のNY市場では144.03円まで値を戻しています。
投機筋の円買いポジション、さらに拡大 過去最大を更新
米商品先物取引委員会(CFTC)が4月25日(日本時間26日早朝)に発表した4月22日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対ドル持ち高は17万7814枚の円買い越し(ドル円のショート)と前週から5959枚増え、3週連続で過去最大を更新しました。
*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
昨年7月2日には18万4223枚の円売り越し(ドル円のロング)となり、2007年6月(18万8077枚)以来の高水準を記録していましたが、そのあとは一転して円買いポジションを構築する動きが目立ちました。そして、一気に10万枚の大台を突破し、その後も拡大傾向が続いています。
また、内訳をみると、円ロング=20万2373枚、円ショート=2万4559枚となっており、投機筋の円ロングがさらに増え、20万枚を超えていることが分かります。円ショートも若干減少しています。
恐怖指数=VIX指数は順調に低下
着々と円買いポジションは積み上がっていますが、さすがに行き過ぎた「ポジションの偏り」の反動で円安方向に大きく動く可能性は警戒されます。ドル円は昨年9月16日の安値139.58円の下抜けに失敗し144円台まで反発したうえ、過度な「リスク・オフ」の動きもかなり後退。トランプ米大統領は相変わらずですが、マーケットは関税やパウエル議長解任などネガティブな材料に大分慣れて(飽きて)きています。
*Trading Viewより
シカゴ・オプション市場(CBOE)でS&P500種株価指数オプションの値動きに基づいて算出される変動性指数(VIX、恐怖指数)は4月7日に「60」を超える場面がありましたが、そのあとは順調に低下。25日には「24」まで下げています。
また、VIX指数よりも簡単に投資家心理を確認できる便利なツール「Fear & Greed Index(恐怖と強欲の指数)」を見ると、現在は「35」で「FEAR」(恐怖)となっています。4月8日には「8」という、滅多に見ることが出来ないレベルの「EXTREME FEAR」(極度の恐怖)でしたが、そのあとは徐々に投資家心理が改善していることが分かります。
*CNNのHPより
「Fear & Greed Index」は米国のテレビ局CNNが提供している投資家心理に関する指標です。Fearが恐怖、Greedが強欲で「恐怖と強欲の指数」となります。
上の表を見て頂くと分かるとおり、この指数は0~100までの数値で表されており、0~25が「EXTREME FEAR」(極度の恐怖)、25~45が「FEAR」(恐怖)、45~55が「NEUTRAL」(中立)、55~75が「GREED」(強欲)、75~100が「EXTREME GREED」(極度の強欲)となっています。
なお、株の世界では「0」に近づくほど投資家心理が冷え込み、必要以上に株が売り込まれていることから「株価が割安」と判断され、逆に「100」に近づくほど投資家心理が過熱しており、適正な株価を超えて株が買われていることから、「株価が割高」になっていると言われています。
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