当コラムでは「IG証券」のデモ口座で株価指数・FX・コモディティなどをトレードし、売買のタイミングや結果などを公開。証拠金は各100万円スタート。「IG証券」は「FX口座」「株価指数口座」「商品口座」「個別株口座」「債券先物口座」「その他口座」と多様な資産クラスがワンストップで提供されています。
ドル円、37年半ぶりの高値を更新
ドル円は4月29日に160.17円と1990年4月以来34年ぶりの高値まで急伸しましたが、そのあとは政府・日銀による為替介入とみられる動きで5月3日には151.86円まで一転下落しました。ただ、そのあとは再びじり高の展開となり、今週3日には一時161.95円と1986年12月以来約37年半ぶりの高値を更新しました。
ドル円は1990年の戻り高値を抜けて以来、6月27日の東京で160.31円、NY市場で160.29円、そして6月28日のNY時間に再び160.26円までの下押しとなっており、1990年4月17日の高値160.20円や4月29日のこれまでの年初来高値160.17円が一転サポートとして意識されているようです。
*Trading Viewより
市場では「一段の円安・ドル高を投資家らは、政府・日銀による為替介入に踏み切る可能性に動じておらず、ドル円は170円まで上げる可能性がある」「政府・日銀による過去最大となる約9兆8000億円の為替介入の効果も約2カ月で終了。短期的な介入は効果がなく、比較的迅速に170円に到達する可能性がある」との声が聞かれています。
注目の6月米雇用統計
米労働省が昨日5日に発表した6月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比20.6万人増と予想の19.0万人増を上回ったものの、4月分と5月分は下方修正されました。また、失業率は4.1%と予想の4.0%より弱い内容となりました。なお、平均時給は前月比0.3%/前年比3.9%と市場予想に沿った結果となりました。
雇用統計の結果については「米雇用市場はまだ壊れることなく、腰折れしつつある状況。これは利下げの論拠を支える。過熱し過ぎてもいないし、冷え込み過ぎてもいない『ゴルディロックス』の状態にある。9月利下げの可能性は十分にある」、「インフレ率が依然として目標を上回っているにもかかわらず、雇用市場の冷え込みが鮮明になっているため、米金融当局に9月利下げの確信を与える可能性がある」、「米金融当局にとって良いニュース。6月の雇用者数は予想を上回ったものの、過去分の下方修正と失業率の悪化で均衡する格好となった。9月利下げへの道筋を維持するのには十分となる公算」との声が相次ぎ、9月利下げを予想する向きが多かったようです。
投機筋の円売りポジション、再び増加傾向へ
ヘッジファンドによる円売りポジションは政府・日銀による為替介入があったとみられる4月29日以降、減少傾向にありましたが、ここにきて再び円売りポジションが増加傾向にあります。今週、米国は4日が独立記念日の祝日で休場。その関係で通常、米商品先物取引委員会(CFTC)が週末に公表する投機筋のポジションは来週8日に公表されますが、先週末に発表された6月25日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の売り越し=ドル円のロングは17万3900枚となっています。これは4月23日時点の17万9919枚(2007年6月以来の高水準)に迫る水準です。
*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
17万9919枚という数字は円先物が導入された1986年以来でも屈指の規模であることを考えると6月25日時点の17万3900枚もかなり大きさであることが伺えますね。
ドル円の一目均衡表チャート
ドル円の一目均衡表チャートを見ると、週末の終値(160.75円)で雲の上限156.40円を大きく上回っています。この状況は6月上旬以降ほぼ1カ月続いています。また、転換線160.57円や基準線158.25円も上回っており、テクニカル的にもまだまだ上サイドを試す展開が期待されます。
*Trading Viewより
【免責事項・注意事項】
本コラムは個人的見解であり、あくまで情報提供を目的としたものです。いかなる商品についても売買の勧誘・推奨を目的としたものではありません。また、コラム中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。