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米10年債利回り、2カ月半ぶりの低水準
米長期金利の指標となる米10年債利回りは今週も低下傾向が継続。一時4.24%台と9月中旬以来約2カ月半ぶりの低水準を付けました。10月には16年ぶりに5%を突破しましたが、その後はハト派よりの内容となった米連邦公開市場委員会(FOMC)や10月米消費者物価指数(CPI)の下振れなどがあり、債券買い=金利は低下となっています。市場では「米連邦準備理事会(FRB)の利上げサイクルは終了した」との見方が益々広がっています。
今週で言えば、ウォラーFRB理事が「政策が好位置にあるとの確信を強めている」「インフレ率がさらに数カ月間低下し続ければ、政策金利を引き下げる根拠は十分にある」などと発言し、利下げの可能性に言及したことが話題に。市場では「米利上げ局面の終了や来年以降の利下げの可能性が意識された」との声も聞かれています。
*Trading Viewより
また、米商務省が発表した7-9月期米国内総生産(GDP)改定値は年率換算で前期比5.2%増と速報値の4.9%増から上方修正され、予想の5.0%増を上回りましたが、米経済活動の3分の2超を占める個人消費が3.6%増と予想の4.0%増を下回ったほか、FRBが物価の目安として注目する食料とエネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)指数が2.3%上昇と予想の2.4%上昇を下回ったことも金利低下につながっています。
さらには、米地区連銀経済報告(ベージュブック)で「米経済活動は前回の報告書以降減速した」との認識が示されたほか、物価上昇について「地区全体でほぼ緩やかになったが、依然として高止まりしている」しながらも、労働需要については「引き続き緩和した」と伝わったことも意識されたようです。
米国債(CFD)のロングは利食い
10月に入り、米国10年国債先物($10)=CFDを「1」ロット、「10741.8」でロングしましたが、今週ついに利益を確定することができました。一時は「▲1977ドル(▲29万6000円程度)」とかなりの含み損になり、つらい日々を過ごす場面もありましたが、結果は「10951」で利食いし、「約30万7000円のプラス」となりました。
*IG証券より
今後も米金利の低下傾向に変化はないと予想していますが、ウォラーFRB理事の発言を巡り、「火消」するような発言もありました。昨日にはデイリー米サンフランシスコ連銀総裁が「現時点では利下げについて全く考えていない」「FRBが利上げを完了したかどうかを考えるのは時期尚早」と述べたほか、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が「景気抑制的な金融政策はかなりの期間続くと想定」「インフレ圧力が続けば再び利上げの可能性もある」などと発言しています。
パウエルFRB議長の発言を控えて
本日は日本時間2日1時にパウエルFRB議長の発言が予定されています。FOMC前で経済や政策見通しに関する発言を禁じられる「ブラックアウト期間」に入る前とあって、注目が集まっています。「マーケットは米利下げを織り込み過ぎ」との認識もあるでしょうから、普通に考えれば、パウエル議長もウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁と同様の発言を繰り返すと思われます。つまり、ウォラーFRB理事のような「ハト派発言」はないと想定されます。念のための、ポジション解消とも言えます。
米著名投資家のビル・アックマン氏
なお、米金利上昇を止めた男として一時期話題になった米著名投資家のビル・アックマン氏は今週、「FRBは市場の予想よりもずっと早く利下げを開始しなければ、経済はハードランディングのリスクに直面すると予想している」と発言しています。マーケットで広く予想されているFRBの2024年6月利下げに対して、「第1四半期に利下げを開始する可能性がある」としています。
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