「あの株はいまいくら?」では、話題になった銘柄の現状を確認します。今回は2026年7月に上場したビーエイブル(604A)をみていきます。
事業内容:福島第一原発の廃炉作業と原子力プラント保守が主力
同社は、福島第一原子力発電所の廃炉作業や原子力発電所のメンテナンス工事を基盤事業としています。
主力となる廃炉分野では、福島第一原発において汚染水対策、燃料デブリ取り出し、使用済燃料対策、廃棄物対策など多岐にわたる工事を継続的に実施しており、遠隔操作ロボット等を活用した高度な工事技術に強みを持っています。また、柏崎刈羽原子力発電所をはじめとする全国の原子力プラント保守工事でも受注を拡大させています。
さらに、東日本大震災後は再生可能エネルギー事業にも本格参入し、福島いわきバイオマス発電所や風力・太陽光発電設備のオペレーション&メンテナンス業務を展開しています。2025年11月からは再エネ電力の地産地消を目指した電力小売事業を開始したほか、地域貢献の一環としてリハビリ特化型デイサービス「元氣ジム」などの介護事業や料飲事業など多角的なビジネスを展開しています。
IPO時の状況:初値は公開価格比45%高と好スタートも株価は調整へ
2026年7月29日、東証スタンダード市場に上場しました。公開価格は仮条件(660円から700円)の上限である700円に決定しました。
上場当日の初値は1016円と、公開価格を45.1%上回る好調な滑り出しを見せました。初日には一時1316円まで買われましたが、その後は利益確定売りや全般的な新興株市場の調整に押される展開となりました。8月6日には上場来安値となる872円まで下落し、初値を下回る水準で揉み合う局面が続きました。
直近の株価動向:強気な今期見通しでストップ高
株価の潮目を大きく変えたのが、9月14日に発表された26.7期通期決算です。
・売上高 :99.1億円(前の期比10.3%増)
・営業利益 :10.1億円(前の期比50.4%増)
・経常利益 :10.2億円(前の期比55.6%増)
・当期純利益: 7.4億円(前の期比54.6%増)
廃炉工事やプラント保守の順調な受注拡大に加え、先行投資負担の一巡により大幅な増益を達成しました。
併せて発表された27.7期の業績予想では、以下のように高成長が続く見通しが示されました。
・売上高 :118.5億円(前期比19.6%増)
・営業利益 : 14.2億円(前期比40.5%増)
・経常利益 : 13.9億円(前期比35.8%増)
・当期純利益 : 9.6億円(前期比30.0%増)
この好決算が好感され、決算発表翌営業日の9月15日には前日比+300円の1565円ストップ高を記録。翌9月16日には上場来高値となる1712円まで買われました。2026年10月5日の終値は1597円となっており、公開価格(700円)の約2.3倍、初値(1016円)も大幅に上回る高値圏を維持しています。
今後の見通し:長期にわたる廃炉需要と再エネ多角化が成長を後押し
今後の成長を支える最大の要因は、数十年単位で続く福島第一原発の廃炉プロジェクトという極めて安定的な事業環境です。同社が誇る遠隔操作技術や現場ノウハウは参入障壁が高く、今後も中心的な役割を果たし続けると見込まれます。また、国内における原発再稼働の動きもプラント保守工事の受注増加につながる追い風となっています。
足もとの株価1637円における27.7期の予想PERは17倍台にとどまっており、今期の営業利益40%増という高い成長性を考えれば割安感はありません。国策である廃炉・エネルギー安保・再エネ推進のすべてに合致するユニークなポジショニングを強みに、今後も堅調な推移が期待できそうです。
【ビーエイブルの日足チャート】




