特定の銘柄の値動きを1カ月間追いかけてみる「あの銘柄を買ってみた!」
今回は2023年10月に取り上げたオムロン(6645)の値動きを振り返ります。
1カ月後の株価は14%高
12月1日の終値は6108円でした。10月31日の終値は5347円でしたので、値動きを見た1カ月では761円の上昇。53万4700円が61万0800円となり、+761円×100株で7万6100円の上昇(手数料・税金は考慮せず)となりました。上昇率は14.2%で2桁の上昇となりました。
急落後は日本株も強く右肩上がり
この間の値動きは以下のようになりました。
ストップ安になった翌日、10月31日の終値(5347円)で購入するというシュミレーションでしたが、株価は11月1日からギャップアップスタートとなり、その後も強い動きが続きました。結果的に10月31日の5347円が期間中の安値となりました。11月1日の寄り付きは5547円でしたが、ここで買ったとしても、12月1日終値(6108円)との比較では561円高(+10.2%)ですので、大きく利益が出たことになります。
動きが良かった要因の一つとして、日本株自体が強かったということが挙げられます。11月の日経平均は月間で8.5%上昇しましたが、これは11月時点で2023年最大の上昇率となっています。33800円台まで上昇し、年初来高値を上回る場面もありました。良好な地合いであったからこそ、その手前で大きく下げた銘柄には見直し買いが入りやすくなったと考えられます。
ストップ安まで売り込まれた銘柄が戻してくれば、底打ち期待が高まります。そうなると、買うから上がる、上がるから買うといった好循環が発生しやすくなります。
中期では下げ止まったかが微妙な水準
それでは、今後のオムロンは前途有望なのでしょうか。ここで、オムロンの週足チャートを見てみましょう。
週足のチャートを見てみると、また印象が変わってくることがお分かりいただけるかと思います。日足チャートの赤い点線で挟まれた部分と、週足チャートの青い点線で囲まれた部分が同じ期間となっています。
直近数週間の動きは強かったものの、株価はストップ安になる前の水準まで戻した程度にすぎません。中長期で見れば下げトレンドが終わったと判断できるかは微妙な水準にあります。
ストップ安銘柄はその後の値動きが重要に
今回、結果を見た期間では大幅な上昇となりました。ただし、ストップ安銘柄を買えば必ず儲かるわけではありません。今回のオムロンはストップ安となった後は、一段と売り込む動きが出てきませんでした。こういった場合、ストップ安で当面の売りが出尽くしとなることへの期待が高まります。
逆に、ストップ安となった後にさらに下げるようだと、見切り売りが出やすくなります。そのような場合、実際のトレードであれば早めの撤退も必要となってきます。
また、同じストップ安でも、会社の規模が大きいか小さいかには注意を払っておく必要があります。オムロンは時価総額で1兆2000億円レベルの企業ですので、ストップ安となれば大きな注目を集めます。知名度が高い企業の株価が急落した場合には、買い意欲が刺激される投資家も少なくないと考えられます。一方、時価総額が小さい企業の場合、ストップ安まで売られてしまうと人気が離散して放置されてしまうリスクがあります。
なお、オムロンは中長期の視点では大底を打ったかの判断が難しくもあります。ストップ安となる前日、10月27日の終値は6318円でした。これより上が定着して、6500円、7000円と戻していけるようであれば、大底を打った可能性が高まります。
一方、6318円より下での推移が続くようだと、一時的なリバウンドにすぎないとの見方が強まってきます。今回の場合、一定の戻りを達成した後は伸び悩んでいます。日経平均も12月に入って失速気味ですので、「利食い千人力」で利益を確定させた方が良さそうです。
基調が弱い銘柄でも上手くタイミングをつかむことができれば、短期間で利益を獲得することが可能となります。これは株式投資の醍醐味です。様々なパターンを見て研究することが経験値アップにつながります。今回のオムロンも実例の一つとして参考にしていただければと思います。
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