特定の銘柄の値動きを1カ月間追いかけてみる「あの銘柄を買ってみた!」
今回は2025年1月に取り上げた三井住友フィナンシャルグループ(8316)の値動きを振り返ります。
1カ月後の株価は2.5%高
2025年2月25日の株価は3869円でした。1月22日の株価は3776円でしたので、値動きを見た1カ月では93円の上昇となりました。37万7600円が38万6900円となり、93円×100株で9300円の利益(手数料・税金は考慮せず)、上昇率は+2.5%となりました。
2月中旬に大きく上昇
それでは、この間の値動きを見ていきましょう。
日銀は1月23日~24日に開催された金融政策決定会合で、追加利上げに踏み切りました。ただ、事前に織り込みも相当進んでいましたので、結果発表日の1月24日は下落しています。
しかし、日銀会合を通過した直後に銀行株に買いが入りました。2月初旬には売られる場面もありましたが、要人発言などから早期の追加利上げが意識された2月中旬に大きく上昇しました。2月19日には4000円を上回っており、この日につけた4022円が期間中の高値となりました。期間中の安値は2月10日につけた3681円でした。
値動きを見た期間では強い時期と弱い時期が交互に訪れました。この1カ月では値幅はそれほど出ませんでしたが、昨年来の高値を更新しています。しっかりとした動きが継続したと言えるでしょう。
三菱UFJは上場来高値を更新
この間のメガバンク3行の株価は似たような動きとなっており、三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)やみずほフィナンシャルグループ(8411)も2月19日に直近の高値をつけています。三菱UFJは2006年の4月につけた1950円を1月後半に上回り、上場来高値を更新しました。
このように、同業がそろって上昇している時期は、業界に対する期待値が高いと考えられます。この先、さらに上昇が続いて高値警戒感が台頭してくると、業界内で選別色が強まってくる可能性があります。
当面は国内長期金利の上昇基調が続く公算
日銀は年に8回開催される金融政策決定会合の2025年初回会合で利上げを実施しました。この先、景気が大幅に悪化するようなことがなければ、年内のどこかで追加の利上げが意識されることになると思われます。現時点では日本の長期金利の上昇基調が続く可能性が高く、銀行株にはフォローの風が吹いています。
ただ、欧米では中央銀行が利下げのスタンスを採っており、米国ではここにきて弱い経済指標が株安を呼び込むような場面も見られます。日銀の利上げが打ち止めになるとの見方が強まってきた場合には、銀行株に対する市場の評価にも変化が出てくると思われます。
株価は2月に4000円台に乗せていますので、2006年4月につけた上場来高値の4633.3円(株式分割を考慮)も射程圏内に入ってきました。三菱UFJが2025年に入って早々に上場来高値を更新してきただけに、キャッチアップする動きが見られるかが注目されます。