特定の銘柄の値動きを1カ月間追いかけてみる「あの銘柄を買ってみた!」
今回は2023年7月に取り上げた日経レバ(1570)の値動きを振り返ります。
レバは大幅安、ダブルインバースは大幅高
8月18日の終値は18580円でした。7月18日の終値は19935円でしたので、値動きを見た1カ月では1355円(-6.8%)の下落(手数料・税金は考慮せず)となりました。
日経レバと逆の動きをするダブルインバース(1357)の方は、8月18日の終値が251円となりました。7月18日の終値は235円でしたので16円(+6.8%)の上昇となりました。騰落率では6.8%安と6.8%高で、きっちり対象的な動きとなりました。
なお、対象資産である日経平均株価は、同じ期間に1043.13円(-3.2%)下落しました。日経レバ、ダブルインバースともに、日経平均の値動きの倍近いパフォーマンスとなっています。
日経平均は8月中旬に調整色を強める
日経平均は7月以降、頭打ち感が出てきていましたが、それでも7月31日と8月1日の2営業日で700円近く上昇するなど踏ん張っていました。ただ、8月中旬に入ると、決算発表が一巡して材料難になったことや、米国の長期金利上昇が続いたことなどから、調整色を強めました。8月第3週(8/14~8/18)には週間で4桁の下落となっています。こういった動きを受けて、日経レバは下り坂となり、ダブルインバースは上り調子となりました。
値動きを見た期間中の両銘柄の高値・安値を見ると、日経レバが高値をつけた8月1日にダブルインバースが安値をつけ、ダブルインバースが高値をつけた8月18日に日経レバが安値をつけています。
レバレッジをかけると振れ幅は大きくなる
個別銘柄ではなく、シンプルに指数の値動きに注目するという観点からは、日経レバ、ダブルインバースともに使い勝手の良い商品と言えます。ただし、レバレッジをかけると振れ幅は大きくなりますので、その点には注意が必要です。今回、1カ月でも7%近く株価が変動しましたが、短期間でこれだけ動くと、逆に振れた場合の心理的なダメージも大きくなります。実際に購入した場合には、定期的に価格と評価損益をチェックすることをお勧めします。
また、個別銘柄を中心に取引される方であれば、保険・補完的な意味合いで日経レバやダブルインバースを活用するといった方法もあります。
2023年は5月から6月にかけて日経平均が大きく上昇しました。その間に個別銘柄で含み益が発生した方も多くいると思われます。保有している銘柄にはまだまだ期待している、ただ、日経平均には天井感が出てきたと感じている。そういった局面では、個別株は保有したままでダブルインバースを購入すれば、日経平均の下落に対するケアをすることができます。見立て通り日経平均が下落すればダブルインバースで利益が出ます。下落しなかった場合にはダブルインバースは見切る必要がありますが、保有銘柄の上昇が期待できます。
保有している銘柄は売る予定はないけれども指標面では良いところまできている。ただ、日本株の動きが良く、日経平均は上がりそうと予想する場合には、日経レバを購入することで日経平均の上昇に備えることができます。保有銘柄が日経平均と連動性が低い場合なども、日経レバを活用すれば日経平均の上昇局面でその恩恵を受けることができます。
日経平均の方は、8月第3週に大きく下げた分、第4週には切り返しています。今後も折に触れて大きな動きは出てくるでしょう。動向を見定めつつ、日経平均と一緒に日経レバやダブルインバースの値動きにも注目してみてください。