特定の銘柄の値動きを追いかけてみる「あの銘柄を買ってみた!」
今回はNTT(9432)の値動きを振り返ります。
大納会の株価は6月末よりも上
2023年12月29日、大納会の終値は172.3円でした。
2023年5月16日の株価は4161円で、分割を考慮して166.4円。6月30日の株価は170.5円でしたが、12月29日の株価はこれらを上回りました。それぞれ、上昇幅と上昇率は以下の通り(手数料・税金等は考慮せず)となりました。
(5月16日との比較)
172.3円-166.4円=5.9円(+3.5%)の上昇
分轄前に100株購入していた場合、分割により2500株になっていることから
172.3円×2500=43万0750円
43万0750円-41万6100円(*)=1万4650円のプラス
(*)端数が生じる関係で166.4円×2500株では41万6000円となりますが、ここでは4161円×100株の41万6100円として計算しています。
(6月30日との比較)
172.3円-170.5円=1.8円(+1.1%)の上昇
6月30日の終値で100株購入した場合、1.8×100=180円のプラス
値動きを見た期間では、どちらの比較でも小幅な上昇となりました。なお、実際に購入した場合、継続して保有していれば9月の権利を獲得していますので、その分(1株あたり2.5円、100株であれば250円、2500株であれば6250円、税金等は考慮せず)がオンされます。
自社株買い発表を受けて8月に底打ち反転
それではこの間の値動きを見てみましょう。
6月末の25分割の権利取り直前で急伸しましたが、その反動でしばらく下げ基調が続きました。8月4日に157.6円まで下げたところで売りは一巡しました。8月9日に第1四半期決算を発表しましたが、この時に自社株買いを併せて発表したことから、下値不安が大きく後退しました。
そこから約2カ月後の9月27日には183.4円まで上昇しました。9月末の権利取り近辺では上値が重くなり、そこから年末にかけての株価は下向きとなりました。8月から9月の上昇分が貢献し、大納会の株価は5月16日や6月30日の終値を小幅に上回りました。
年始に入って基調が上向きに
昨年11月や12月の株価はさえない動きとなり、値動きを見た期間では小動きにとどまりました。ただ、株価は上がることもあれば下がることもあります。中間配当も出ていますし、マイナス(含み損)になる期間は短かったので、実際に購入した場合でも保有に不安を感じる状態にはならなかったと推測されます。
まだ投資をしたことがない方からすれば、実際に株を買うハードルは高いと思われます。ただ、購入単価が下がってくれば、リスクは低下します。業績が大きく悪化して最低購入単価が少額となる銘柄もありますが、NTTはそうではありませんし、業績も比較的安定しています。100株(2万円弱)購入しただけで資産が急拡大することは期待しづらいですが、株とはどういったものかを知る入門の銘柄としては、NTTは悪くない銘柄と言えるでしょう。
なお、年が明けて2024年に入ってからは強含む動きが見られます。新NISAが実際にスタートしたことで、大幅な分割を実施した銘柄が改めて見直されているようでもあります。昨年9月の高値183.4円を早々に超えることができるかが、この先の注目点となります。