今回は、過去の「あの銘柄を買ってみた!」で取り上げた銘柄について、その後の値動きがどうなったかを追跡します。2023年10月に取り上げたオムロン(6645)について見ていきます。
下方修正を受けてまたもストップ安!
値動きを見た期間では良好なパフォーマンスとなったオムロンは、その後も緩やかな戻り基調が続きました。2024年に入って日本株が大きく上昇する中、1月には7000円台を回復しました。
しかし、2月5日の3Q決算発表時に通期見通しの下方修正を発表。これが嫌気されて翌6日は売りが殺到し、ストップ安で取引を終えました。
前回の下方修正から営業利益は半減の見込み
下方修正の中身について抜粋したのが以下の表となります。
営業利益予想は昨年10月の450億円から、今回は240億円に引き下げられています。10月の下方修正もネガティブなインパクトが大きかったですが、今回はそこからさらに半減となる見込みを出してきました。純利益はかろうじて黒字という程度ですので、着地が赤字となる懸念があります。
ストップ安でも昨年10月安値は割り込まず
答え合わせの回では、中長期の視点では下げトレンドが終わったと判断するには微妙な水準にあることについて触れました。決算を受けた反応が2回連続でストップ安というのは非常に印象が悪いです。前回ストップ安まで下げて悪目立ちしたことで、今回も下に値幅が出るとの見方が強まり、売りが殺到したものと推測されます。
ただ、前回ストップ安となった後、すぐに切り返して大きく上昇したことから、2月6日のストップ安(5547円)では2023年10月31日につけた安値5245円は下回りませんでした。
前回同様に直後の値動きが重要に
決算で急落したため、ひとまずは前回同様に直後の値動きが重要となります。(1)ストップ安で売り出尽くし感が出てくるのか、(2)5245円辺りで売りが一巡するのか、(3)5245円を大きく割り込んで底割れしてしまうのか―を見極めていく必要があります。
(1)の場合、直近でリバウンドでも値幅が出た実績がありますので、強い切り返しが期待できます。(2)の場合、現状水準からもう一段下げることになるため、短期的には警戒が強まりますが、長期の視点でみれば5000円台前半は買い場との見方が強まってきます。(3)の場合は長く保有している投資家だけでなく、急落局面で押し目買いを入れた投資家からの投げ売りが出やすくなるため、需給が大きく悪化します。よほどの好材料が出てこない限り、反転には時間がかかることが予想されます。
なお、いずれのパターンにおいても、次の決算発表(本決算で4月後半予定)の前では警戒感が強まると思われます。押し目買いが成功して含み益が発生した場合でも、4月半ばにはいったん手じまうイメージを持っておいた方が良いでしょう。