特定の銘柄の値動きを追いかけてみる「あの銘柄を買ってみた!」
今回はオムロンを取り上げます。証券コードは6645で、東証プライムに上場しています。
私たちの生活になじみのある商品としては、体温計や血圧計がありますが、会社としては制御機器に強みを持っています。本社が京都にあり、社名は京都の御室(おむろ)が由来となっています。
下方修正を発表してストップ安
オムロンは10月27日の上期決算発表時に通期見通し(24年3月期)の業績を下方修正しました。そして、これを受けた10月30日の株価はストップ安まで売り込まれました。
修正の内容は、営業利益の見通しを1020億円→450億円(前期比55.3%減)、純利益の見通しを745億円→180億円(同75.6%減)とするもので、引き下げ幅がかなり大きくなりました。
期初の時点では24.3期は前期比で増収増益を計画していましたが、今回の下方修正で減収減益の見込みとなりました。このように、増益から一転減益になるといったニュースに対しては、株価のネガティブな反応が大きくなることがあります。
ただ、株価の方も「そこまで下げなくても・・・」というくらいに、一気に水準を切り下げていますので、ここからどう動いてくるかが注目されます。
前回の決算でも株価は大きく下落
オムロンに関しては、一つ前の第1四半期決算(1Q)も失望を誘って株価が大きく下落しました。7月28日に大幅安となった後も下げ基調が続いて、今回一段安となっています。値ごろ感は出てきている一方で、業績に対する懸念が拭いきれない状況でもあります。
一方、今回値幅を伴った下げとなったことで、出来高は前回の急落時よりも増加しました。7月28日の出来高は363万2000株、10月30日の出来高は473万9300株となっています。翌10月31日の出来高も412万700株と高水準となっています。
ストップ安の翌日は小幅な上昇
出来高が大きく増加するということは、売りたい人もいれば買いたい人もいるということを意味します。安値圏で出来高が増加してくると相場の転換点となることも多いです。ただ、7月も今回同様に出来高の増加を伴った下げとなりましたが、この時は下げ止まりませんでした。
何らかの材料があって株価が急落した場合、下げたところでもたついてしまうのか、それとも早々に切り返す動きが見られるかが重要となります。7月28日以降の動きを見ると、陰線が多く並んでいる上に、もたつくどころかさらに下げています。そうなってしまうと、見切り売りが急がれる一方で押し目買いは手控えられますので、どんどん流れが悪くなってきます。
今回、ストップ安となった翌日の10月31日は、前日比29円高(+0.5%)の5347円と小幅に上昇しました。物足りなさもありますが、下げなかったという点は好感できます。ストップ安となった10月30日の終値が5318円ですので、これより上で推移できるかどうかが目先の焦点となります。
セリングクライマックスか、それとも・・・
今回は10月31日の終値5347円で購入したと仮定して、1カ月後の株価と見比べます。手数料・税金等は考慮しません。100株単位で最低購入代金は53万4700円となります。11月が30日までであることから、12月1日(金)の終値と見比べることとします。
実際に、ストップ安となった直後の銘柄を売買するのは、買う方も売る方も勇気がいります。急落銘柄が売られた後にどういった動きを見せるのか、どのくらいの値幅が出てくるのかを確認する一つの実例として、参考にしていただければと思います。
こういった銘柄をストップ安となった直後に売買するのは、ハイリターンが期待できる一方、ハイリスクでもあります。実際のトレードでは、大きな動きが出てきた銘柄を手帳やスマートフォンなどを活用してメモ書きしておいたり、お使いの投資ツールがあれば登録するなどして、しばらく値動きを追ってみるのが良いかと思います。
下げ止まらないようならその銘柄の買いは見送りで、下値が堅くなってくるようなら押し目買いを入れるイメージです。地合いがガラッと変わって売り込まれた銘柄ほど買われやすくなるといったこともありますので、前から狙っていた銘柄が急落したケースでは、下げたところでまず買い、順調に戻してくるようなら追随買いを入れる(複数単元の購入が条件となります)といった買い方にすれば、塩漬けリスクを軽減することができます。
水準が大きく変化した銘柄にはトレードチャンスがあると言えます。11月上旬は多くの銘柄の決算が出てきますが、最近は決算発表銘柄の1日の値幅が大きくなることも多いです。買いで入る場合には急騰銘柄の方に食指がそそられるかもしれませんが、投資の幅を広げる観点からは、急落した銘柄のその後の値動きにも注意を払ってみることをお勧めします。
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