特定の銘柄の値動きを1カ月間追いかけてみる「あの銘柄を買ってみた!」
今回は2024年1月に取り上げた川崎汽船(9107)の値動きを振り返ります。
1カ月後の株価は小幅安
2月26日の終値は7107円でした。1月23日の終値は7166円でしたので、値動きを見た1カ月では59円の下落でした。71万6600円が71万0700円となり、-59円×100株で5900円の下落(手数料・税金は考慮せず)となりました。下落率は0.8%で、値動きを見た期間では小幅な下落となりました。
3Q決算では売られるも2月中旬は値を戻す
それでは、この間の値動きを確認してみましょう。
1月17日には上場来高値7735円をつけましたが、この日に長い上ヒゲをつけた後の株価は下り坂となりました。動きが良くなってくると戻り売りに押されるといった動きが続き、第3四半期の決算発表を控えた2月2日には終値で節目の7000円を割り込みました。
決算と同時に1:3の株式分割を発表しており、これを受けた2月5日は買いが先行しました。ただ、通期の営業利益見通しが下方修正されたことから高く始まった後は失速し、結局この日は下落で終了。決算に対する反応が案外となったことで買いは手控えられ、2月9日には大幅安となって6500円台まで下落しました。
三連休明けの2月13日に6482円まで下げたところで切り返し、2月21日には7500円まで上昇しました。短期間で1000円近く水準を切り上げています。ただ、節目に乗せたことで戻り一巡感も出てきたことから、以降は改めての売りに押されました。下げて戻してまた下げて、値動きを見た期間では小動きとなりました。
目先は煮詰まりそうなチャート形状
2月21日につけた7500円が1月17日高値の7750円に届いておらず、その後の下げで2月27日には節目の7000円を割り込んでいますので、目先は上値が重くなりそうです。
ただ、中期では上昇トレンドが崩れていません。買ってみたの回でも週足チャートを掲載していますが、この1カ月で形状が大きく悪化したわけではありません。もう一段下げるようなら押し目買いは入りやすくなります。目先は強気派と弱気派の思惑が交錯して一進一退が続きそうでもあります。
3月も注目度の高い状況は続く
値動きを見た期間では小動きでしたが、期間中の高値7500円は7166円との比較で4.7%高、安値6482円は9.6%安と、振れ幅は大きくなりました。海運株をトレードする上ではある程度のボラティリティ(価格変動)は許容するスタンスでないと、株価に振り回されることになります。
1:3の株式分割を発表しており、権利付き最終日が3月27日(水)となりますので、3月も注目度の高い状況が続くと思われます。短期の視点では分割後に需給が悪化する懸念がある一方、中長期の視点ではそれを理由に株価が下げるのであれば買いの好機とも考えられます。
現状では最低単位購入するのに70万円近く必要ですが、分割後は20万円台で買える計算になります。足元で日本郵船(9101)や商船三井(9104)は5000円近辺(50万円程度)で推移していますので、分割後は海運大手3社の中で最も購入のハードルが下がることになります。
ここ数日の株価は軟調となっていますが、2月13日の安値6482円を割り込む前に反転できるかが焦点となります。7000円より下での推移が続いた場合、出来高が増えてくるかどうかといった点にも注意を払っておきたい局面です。