特定の銘柄の値動きを1カ月間追いかけてみる「あの銘柄を買ってみた!」
今回はメガバンクの三井住友フィナンシャルグループを取り上げます。証券コードは8316で、プライム市場に上場しています。
メガバンク3行は2024年のパフォーマンスが極めて良好
銀行株は2024年の年間パフォーマンスが良好でした。日経平均株価が年間で19.2%上昇したのに対して、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)は52.4%の上昇、みずほフィナンシャルグループ(8411)は60.5%の上昇となりました。三井住友はこれらを上回る64.1%の上昇となっています。
金融株は中央銀行の金融政策の影響を大きく受けます。日銀は2024年の3月にマイナス金利を解除し、7月に追加利上げを決定しました。大きな政策の変更があった上に、2024年の年末時点では利上げはまだ道半ばといった状態でした。銀行株は金利上昇時にはその恩恵が見込まれますので、2024年は買われやすい地合いが続きました。
8月に大きく調整するも年末にかけては上昇再開
こちらは三井住友の週足チャートとなります。
2024年は年前半は右肩上がりの基調が続きました。7月に上値が重くなり、8月に日経平均株価が暴落した際には上昇分の大半を消失しました。ただ、11月辺りからは再び動きが良くなり、12月には3888.0円まで上昇して7月の高値3783.3円を上回っています。2025年に入ってからも3919.0円まで上昇しており、高値圏での推移が続いています。
三菱UFJは2025年1月に上場来高値に接近
銀行株に関しては、2023年2月に三菱UFJを取り上げました。
この時は、3月に海外で金融機関の破綻が相次いだこともあり、値動きを見た1カ月では大幅安となりました。2023年2月21日の終値は983.2円、3月22日の終値は850.8円でした。
その後、同じ年の9月に追跡しましたが、9月15日の終値は1291.5円でした。
この時、「超長期のチャートでは2006年の4月に上場来高値1950円をつけていますので、この水準に向けて上昇基調が続くかどうかが注目されます。」と締めくくりました。2025年1月22日の終値は1906.5円です。1月8日には1948円まで上昇して上場来高値に接近しました。
2025年の日銀の利上げペースに注目
1月23日~24日に日銀の金融政策決定会合が開催されます。この会合で日銀は利上げに踏み切る可能性が高いとみられています。
「利上げするなら株価にもプラスの影響が期待できる」と言いたいところですが、事前にそのことに対する織り込みが進んでいた場合には、材料出尽くしから株価が下落することもあります。金融株を見る上では、先々も利上げが続くかどうかが重要となります。利上げが実施されても、それで打ち止めになるとの見方が強まってしまうと買いが入りづらくなります。
今回に関しては、1月から利上げに踏み切るのであれば、年内にまだ数回は利上げがあるのではないかといった連想は働きます。ただ、景気が急速に悪化した際などは利上げではなく利下げが必要になることもありますので、日本および海外の景気動向には注意を払う必要があります。
2025年も好パフォーマンスを継続できるか
三井住友フィナンシャルグループの2025年1月22日の終値は3776円でした。100株単位で最低売買代金は37万7600円となります。今回はこのタイミングで購入したと仮定して、1カ月後の株価と見比べます。2月22日は土曜日、24日の月曜日は休場(天皇誕生日の振替休日)ですので、2月25日(火)の終値と比較することにします。手数料・税金等は考慮しません。
三井住友の上場来高値は2006年4月につけた4633.3円(分割等を考慮)となります。上場来高値に接近している三菱UFJほどではありませんが、2割強上昇すれば到達します。昨年は年間で6割程度上昇していますので、強い基調が崩れなければ年内の高値更新も視野に入ります。
2024年の好パフォーマンス銘柄が2025年もそうであり続けるかどうか、ここから先の値動きをイメージしてみてください。