特定の銘柄の値動きを1カ月間追いかけてみる「あの銘柄を買ってみた!」
今回は2024年10月に取り上げた東京メトロの値動きを振り返ります。
1カ月後の株価は小幅に上昇
10月25日の終値は1795円でした。10月23日の終値は1739円でしたので、値動きを見た1カ月間では56円の上昇となりました。17万3900円が17万9500円となり、56円×100株で5600円の上昇(手数料・税金は考慮せず)、上昇率は3.2%となりました。
乱高下した後は上昇傾向
それでは、この間の値動きを見ていきましょう。
上場初日は好発進した東京メトロでしたが、翌日以降は急ブレーキがかかりました。2日目の10月24日は上昇して始まったものの上値が重く下落で終えました。翌25日は利益確定売りが急がれ、5.5%安と大きく下落しました。
ただ、この10月25日に1605円まで下げたところで売りが一巡しました。初値が1630円でしたので、これより下では売り急ぎが抑制されたように見えます。その後はしばらく一進一退となりましたが、11月中盤辺りから水準を切り上げています。
11月25日には3.3%高と大きく上昇しており、高値は1823円までありました。複数の証券会社から新規にカバレッジを開始するレポートが出てきており、買いを刺激したものと考えられます。
この1カ月を見ると、上場直後は乱高下したものの値動きは徐々に落ち着き、11月に入ると上昇傾向となっています。
上場直後につけた高値がポイントに
足元では株価の動きが良くなっていますが、ここから先を見据える上では、上場直後につけた高値が注目されます。
10月24日の高値は1780円でした。しかし、先述したように、翌25日には大幅安となって1605円まで下落しています。この間の下落率は9.8%と大きなものになりました。
その後の上昇で1780円を上回ったこと、それ自体がかなり強い動きではありますが、過去の高値を超えてくると戻り売りは出やすくなります。この近辺でもたつくようだと「そろそろ天井かもしれない」との見方が強まってきます。
一方、ここから一段高となるようであれば、公開価格で取得した方、初値で買った方、上昇初日や2日目の高いところで買った方のいずれも、保有し続けていれば損にはならない状態となり、追随買いが入りやすくなります。保有株数に応じて株主優待がグレードアップする銘柄ですので、人気になる要素もあります。
出来高の増減にも要注目
上場直後の賑わいが一段落したタイミングでは、その銘柄の真の実力が試されます。強い動きとなるようなら、知名度は高く上場初日に時価総額が1兆円を超えている銘柄ですので、株式市場の中で存在感を増してくる展開も期待できます。
11月26日には一時1830円まで上昇しましたが、その後、全体の地合いが悪化したこともあり、27日の終値は1770円となっています。様々な思惑が交錯しやすい1780円近辺ですので、ここから1~2週間の値動きが大きく注目されます。人気のバロメーターとして、出来高の増減にも注意を払っておきたい局面です。