特定の銘柄の値動きを1カ月間追いかけてみる「あの銘柄を買ってみた!」
今回は2023年11月に取り上げたJT(日本たばこ産業)(2914)の値動きを振り返ります。
1カ月後の株価はほぼ横ばい
12月21日の終値は3723円でした。11月21日の終値は3718円でしたので、値動きを見た1カ月では5円の上昇でした。37万1800円が37万2300円となり、+5円×100株で500円の上昇(手数料・税金は考慮せず)となりました。上昇率は0.1%で、値動きを見た期間ではほぼ横ばいでした。
12月前半で上昇一服
それでは、この間の値動きを見ていきましょう。
右肩上がりが続いていたJT株ですが、11月22日以降もしばらくは強い動きが続いており、12月4日には3858円まで上昇しました。
ただ、その後に失速して12月18日には3655円まで下落しました。日経平均が12月の前半に不安定な動きとなりましたので、その影響を少なからず受けたように思われます。上げて下げてやや持ち直し、この1カ月では水準が大きく変化しませんでした。
権利落ち後は短期的に振れ幅が大きくなる可能性
JTは3Q決算の時点で、期末の配当予想を94円としています。12月決算銘柄ですので、12月27日(水)時点で株式を保有している投資家に期末配当を得る権利があります。なお、権利落ちとなる12月28日(木)の株価は、理論上は外部環境がニュートラルでも94円分水準が切り下がって始まることになります。
最近は落ち日の下げが大きくなる銘柄も散見されます。また、JTは1期前の22.12期は中間期:75円、期末:113円(合計188円)と期末の方が配当が多く、23.12期は年間予想を188円と前期と同額にしつつ、中間期は94円と前期から引き上げています。
期末配当は94円以上になるとの期待も高いですし、12月決算銘柄の代表格的銘柄ですので、落ち日は配当分を考慮した以上の下げとなる可能性があります。
ただ、そこで下にオーバーシュートするようなら24.12期以降の配当を期待した中長期目線での買いも入りやすくなりますので、早晩値動きは落ち着いてくると予想されます。
中期での上昇トレンドには変化なし
今回、実際のトレードであれば、ここは権利落ち後の値動きが多少荒くなったとしても、配当を受け取った方がベターのように思われます。以下はJTの週足チャートとなります。
「買ってみた」の方では1カ月前の週足チャートを掲載していますが、この時と比べてみても上昇トレンドが崩れているわけではありません。十分含み益が出ていれば権利を取る前に利益を確定するのも良いですが、トントンで中期の上昇トレンドが継続中であれば、少し長めのスパンで上値追いの展開に期待したいところです。
その際、注意すべきは中期の上昇トレンドが維持されるかどうかという点になります。見た目の水準が切り下がればチャートの見栄えも悪くはなりますが、そこで売りが続いてしまうとトレンドの変調も懸念されます。年が明けて1月にしっかりとした動きが見られるかどうかが注目されます。