特定の銘柄の値動きを1カ月間追いかけてみる「あの銘柄を買ってみた!」
今回は2024年11月に取り上げた東京海上ホールディングス(8766)の値動きを振り返ります。
1カ月後の株価は小幅な下落
12月20日の終値は5520円でした。11月20日の終値は5631円でしたので、値動きを見た1カ月では111円の下落となりました。56万3100円が55万2000円となり、111円×100株で1万1100円の下落(手数料・税金は考慮せず)、下落率は2.0%となりました。
決算発表後は方向感が定まらず
それでは、この間の値動きを確認してみましょう。
上期決算を受けて大きく水準を切り下げましたが、その後は方向感が定まりませんでした。ほどなく切り返すも、決算で急落した分を埋めたところで戻りが一服。12月中旬以降は売りに押される流れが続きました。
一方、5400円近辺では下げ渋って切り返しています。10月後半や11月前半も5400円近辺では下げ止まっており、過去の安値が意識されたようにも見えます。期間中の高値は5961円(12月4日)、期間中の安値は5392円(12月19日)でした。
損保3社ではSOMPOが勝ち組に
東京海上ホールディングス、MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)、SOMPOホールディングス(8630)の3社は同じ日に上期決算を発表し、発表翌日の11月20日はSOMPOが大幅高、東京海上とMS&ADが大幅安となりました。
同じ期間(11月20日~12月20日)のSOMPOとMS&ADのパフォーマンスを見てみると、SOMPOが+3.0%高、MS&ADが-3.6%でした。東京海上は-2.0%でしたので、決算を確認した後は、反応が良かったSOMPOが業界の勝ち組としての立ち位置を強めたような動きとなっています。
今後の株主還元強化策にも注目
値動きを見た期間では、小幅な下落となりました。金融株に関しては、日銀の金融政策も株価を見る上での重要な要素となりますが、12月の日銀金融政策決定会合では追加利上げは見送りとなりました。次回の会合は2025年1月23日~24日となりますが、ここで改めて利上げ期待が高まるかどうかが目先の注目点となります。
その後は、各社の3Q決算が注目されます。上期では3社とも上方修正と自己株取得を発表しましたが、株式市場で評価されたのは、3社の中で最も内容が良かったSOMPOのみでした。東京海上やMS&ADからもう一歩踏み込んだ株主還元強化策が出てくるかどうか。出てくるようなら、同業間で切磋琢磨が続くとの見方から、業界全体での評価が一段高まる展開にも期待が持てます。