特定の銘柄の値動きを1カ月間追いかけてみる「あの銘柄を買ってみた!」
今回はキユーピーを取り上げます。証券コードは2809で、東証プライムに上場しています。
マヨネーズ、ドレッシングの会社として有名ですが、ジャムのアヲハタも同社のグループです。ちなみにアヲハタも上場企業で、証券コードは2830、東証スタンダードに上場しています。
値上げ発表に株価が好反応
キユーピーは2025年5月26日に、家庭用商品の価格改定を発表しました。価格改定とは一般的に値上げを意味します。2025年9月1日の出荷分から家庭用の調味料と素材食品の一部商品、10月1日出荷分から介護食などの価格改定を実施するとのことです。
この発表を受けた5月27日の株価は強い買い反応となりました。
値上げは消費者側からすれば歓迎しない材料ですが、企業側からすれば利益の増加要因となります。ただし、値上げをすることで販売数量が減少し、その結果、利益が落ち込むこともあります。値上げを発表した企業の株価の反応が鈍い場合、そのプラス効果が大きくないと市場が判断していると推測されます。
キユーピーの今回の値上げは素直に好感されました。
・マヨネーズの分野で非常に高いブランド力がある
・マヨネーズが寡占市場(ライバルが少ない)かつ、日常の料理における使用頻度が高い
・昨今は多くの商品価格が上昇しており、値上げが受け入れられやすい土壌にある
といった点が背景にあると考えられます。
2025年2月をボトムに反転
日足のチャートは右肩上がりとなっています。週足のチャートでもう少し長い期間の値動きを見ると、以下のようになっています。
2024年の前半は2500円近辺で推移していましたが、そこから大きく水準を切り上げ、7月には3896円まで上昇。上場来高値を更新しました。
一方、8月以降は調整局面に入り、昨年後半から今年の初頭にかけては下げが拡大。2月に2778.5円まで下げたところで売りが一巡し、足元では戻り基調に入っています。
1Qは29%営業減益
キユーピーは決算期が11月と珍しい会社です。4月3日に第1四半期(12-2月)決算を発表しており、営業利益は前年同期比29.0%減の57.9億円となっています。売上高は前年同期比で増加したものの、鶏卵や野菜相場高騰による原料高の影響を受けたほか、販管費も増加したとのことです。
今25.11期の会社計画は345億円で、進捗率は16.8%。4分の1の25%には届いていません。ただ、値上げを実施すればコスト高を一定程度吸収できると思われますので、この先の挽回は期待されます。
戻り継続かそれとも一服か
キユーピーの5月28日の終値は3372円でした。100株単位で最低購入代金は33万7200円となります。今回はこのタイミングで購入したと仮定して、1カ月後の株価と見比べます。6月28日は土曜日ですので6月30日(月)の株価と見比べることとします。手数料・税金等は考慮しません。
会社計画(2025年4月3日時点)の1株当たり当期純利益は210.07円。5月28日の終値3372円でみたPERは16.1倍(3372÷210.07)となっています。
足元の株価は今年2月の安値(2778.5円)から約500円水準を切り上げており、現状水準から約500円上昇すると上場来高値に到達します。戻り基調が継続するのか一服するのか、この先の値動きをイメージしてみてください。