特定の銘柄の値動きを1カ月間追いかけてみる「あの銘柄を買ってみた!」
今回は2023年12月に取り上げたニトリホールディングス(9843)の値動きを振り返ります。
1カ月後の株価は大幅上昇
2024年1月12日の終値は1万8895円でした。2023年12月12日の終値は1万7850円でしたので、値動きを見た1カ月では1045円の上昇でした。178万5000円が188万9500円となり、+1045円×100株で10万4500円の上昇(手数料・税金は考慮せず)となりました。上昇率は5.9%で、値動きを見た期間では大きな上昇となりました。
円高進行を追い風に上昇基調が継続
それでは、この間の値動きを見ていきましょう。
ドル円は2023年12月も円高基調が続きました。そして、ニトリHDの株価もそれに連動するかのように上昇基調を強めました。
ただ、日銀金融政策決定会合の結果が12月19日に発表され、ここでは金融政策の現状維持が決まったことから、徐々に円高圧力が和らいできました。直近で円高を理由に買われていただけに、日銀の結果発表後は上値が重くなりました。
年末年始に円高が進みそうな雰囲気もあったことから、年末にかけては買いが入り、12月28日にこの間の高値1万9100円をつけました。
2024年に入ると日銀の金融政策修正が後ずれするとの観測が出てきたことなどから円安が進行し、これを受けて1月4日や5日は大幅安となりました。1月5日にはこの間の安値1万7310円をつけています。しかし、日経平均が年明けから大きく上昇してきたことで強い買いが入り、1月4日や5日に下げた分を取り戻しました。
円高一服後も上昇基調は崩れず
2024年に入ってから円高には一服感が出てきています。ただ、1月4日、5日に大幅安となった後に強い切り返しを見せている点は注目されます。ニトリHDは日本を代表する小売企業の一つです。225構成銘柄でもありますし、日経平均株価が大きく上昇してくるのであれば、買われる要素はあります。
株式市場で為替の影響が大きい銘柄が注目される時というのは、日々の為替の変動が非常に大きくなったり、大きなトレンドが変化した時となります。為替は日々変動していますので、値動きが落ち着いていれば、多少円安・円高に振れたとしても、それだけを理由にこれらの株価が大きく動くことは少なくなります。
そもそも、円高メリット銘柄にしても、円安メリット銘柄にしても、本質的なところで注目すべきはその会社の業績となります。為替の変動に関しては、金融商品を活用して変動リスクを抑えることもできます。本業で売上高と利益を継続的に伸ばしていくことができるかどうかが、中長期的な視点では重要となります。
企業が賃上げを積極的に行い、人々の生活水準が上がってくるようなら、ニトリHDのような生活に必要な商品全般を取り扱っている企業の業績には好影響が見込まれます。2023年11月に発表した24.3期上期決算では営業利益が前年同期比で減益となっていますが、会社では通期では増益を計画しています。この先に出てくる決算で挽回が見られるかが注目されます。