特定の銘柄の値動きを1カ月間追いかけてみる「あの銘柄を買ってみた!」
今回は2022年11月に取り上げた日本航空(JAL・9201)の値動きを振り返ります。
1カ月後の株価はほぼフラット
12月22日の終値は2679円でした。
11月22日の終値は2678円でしたので、この1カ月では1円(+0.04%)の上昇。ほぼ横ばいという結果になりました。
いったん上向くも12月中旬に失速
この1カ月の値動きを振り返ると、11月に発表された10月の訪日外客数データが強く、これを好感してしばらく上昇が続き、12月13日には2788円まで上昇しました。しかし、12月半ばにかけては失速。12月21日には2623円まで下落しました。そこからやや持ち直したところで1カ月が経過しました。
12月の月初には半導体株などに一時的に強い動きが見られましたが、その際に物色の変化が意識されて、11月後半の動きが良かったリオープン(経済活動再開)関連の銘柄はいったん利益確定売りに押される場面がありました。また、12月20日には日銀が金融政策を修正したことで、多くの銘柄が下落しました。JALもこの日の下げは大きなものとなりました。
75日移動平均線がサポートに
11月22日時点のJALの株価は、決算を発表した後、下り坂となっていましたが、訪日外客数データには強い反応を示しましたので、これで下げ止まるかどうかといった状況でした。ただ、その後の値動きを見るといったん売りが一巡したようではあります。
テクニカル面では、75日移動平均線近辺まで下げたところで切り返した格好となっています。11月22日から1カ月間の動きを見ると、概ね75日線より上で推移しています。12月20日に大きく下げた際には割り込んでしまいましたが、27日には再び上回っています。75日線は下値のメドとして意識されているように見受けられます。
11月の訪日外客数データも強い内容
11月22日から12月22日までの1カ月でみると、大きな動きはありませんでした。ただ、この直前の動きが弱かったことを踏まえると、テクニカルの節目が意識されて下げ加速を回避できており、悪くない動きであったと言えます。日銀の政策修正で12月20日には大幅安となりましたが、ネガティブな反応は続かず、21日、22日は上昇しています。
なお、12月21日に発表された11月の訪日外客数は 93万4500人と、前月の49万8600人から大幅に増加しました。急落直後であったため株価の反応は限られましたが、国内の水際対策緩和により、訪日客は順調に回復しています。また、直近ではサッカーのワールドカップが盛り上がり、現地まで応援に行く人たちがメディアでも多く取り上げられました。日本人の海外旅行需要に関しても回復傾向が続くと思われます。
株価に関しては戻り基調には入ってきたと言えますので、目先は12月13日につけた直近高値の2788円を上回ることができるかが焦点となります。2023年に向けては、中国が新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込み、渡航を含めて経済活動正常化に向けて舵を切ることができるかが、空運株を見る上で重要になると考えられます。