過去の「あの銘柄を買ってみた!」で取り上げた銘柄について、その後の値動きがどうなったかを追跡します。
今回は、2023年12月に取り上げたニトリホールディングス(9843)について見ていきます。
株価は年始から大きく上昇
2023年12月12日の株価は1万7850円でした。そこから1カ月後、2024年1月12日の株価は1万8895円で、値動きを見た期間では1045円(+5.9%)の上昇となりました。
そして、2024年9月25日の株価は2万1625円となっています。
2023年12月12日から保有し続けていたと仮定した場合、178万5000円が216万2500円となり、37万7500円(+21.1%)のプラス(手数料・税金は考慮せず)となっています。24.3期の期末には配当も出ています(1株当たり72円×100株)ので、その分もオンされることになります。
2024年は為替が乱高下
当時、ニトリを取り上げたのは、為替市場で円高が進んでいたことが背景にありました。2024年も為替の値動きが大きくなる中、ニトリの株価も振れ幅が大きくなりました。
ドル円は2023年の後半は円高に振れましたが、2024年に入ると一転して円安が進行しました。ただ、この間は日経平均が大きく上昇しており、その中でニトリも日本を代表する銘柄の一つとして強く買われる流れとなりました。2024年3月25日には2万4420円まで上昇し、上場来高値を更新しています。
3月に日経平均の上昇に一服感が出てくると、ニトリは調整色を強めました。円安に勢いがついてきたことで円高メリット銘柄のイメージが強い同社は敬遠され、さらに本決算が失望材料となって5月に大きく値を崩しました。24.3期の着地が減収減益となったことが嫌気されました。
決算で売られた後も円安に歯止めがかからない中、しばらく下値模索が続きました。7月10日には1万6355円まで下落しており、「買ってみた!」で値動きを見た期間(2023/12/12~2024/1/12)の安値1万7310円も下回っています。
7月に入ってドル円が160円台に乗せたところで円安に急ブレーキがかかり、一転して円高が進行しました。これに伴い、再評価機運が高まって反転攻勢。今25.3期1Qの好決算を確認した8月9日には2万円の大台を回復し、以降はしばらく水準を切り上げる動きが続きました。足元ではやや上昇に一服感が出てきているものの、2万円を大きく上回っています。
円安が加速するとの見方は大きく後退
米国では9月のFOMC(連邦公開市場委員会)で0.50%の大幅利下げが決定されました。米国の長期金利低下はドル安(円高)要因となります。米国の利下げはまだしばらく続くとの見方が強く、円安が加速するとの見方は大きく後退しています。ニトリの株価を見る上では、為替の面で過度な警戒をしなくて良いという点でプラス材料と言えます。
25.3期1Qの営業利益は前年同期比4.6%増の345億円と増益を達成しました。上期の会社計画567億円に対する進捗率は61%と高く、出足は好調です。ここから先は、高い水準で値動きが落ち着くかが注目されます。
7月に1万6355円まで下げた後、2万円をあっさり突破して9月5日には2万2970円まで上値を伸ばしていますので、2万円より上が定着してくれば、下値は限定的とみた買いが入りやすくなります。一方、下げ局面であっさり2万円を割り込むようだと、良くも悪くも振れ幅の大きい状態がしばらく続く可能性があります。業績面では、次回11月発表予定の2Q決算で通期の上振れ期待が高まる内容が確認できるかが注目されます。