特定の銘柄の値動きを1カ月間追いかけてみる「あの銘柄を買ってみた!」
今回は2023年1月に取り上げた東光高岳(6617)の値動きを振り返ります。
1カ月後の株価は小幅高
2月10日の終値は1977円でした。
1月10日の終値は1947円でしたので、この1カ月では30円(+1.5%)の上昇。100株だと19万4700円が19万7700円となり3000円のプラス(手数料・税金は考慮せず)、月間では小幅高という結果になりました。
テーマとしては短命もしばらく上昇は続いた
それでは、この1カ月の値動きを振り返ってみます。年初にEV充電器関連として動意付いた同社株ですが、株式市場ではこのテーマは短命に終わってしまいました。同じ時期に政府が子育て支援を拡充するといったニュースが多く出てきており、そちらの関連銘柄が派手に上昇したことで、人気を持って行かれたような格好となりました。
ただ、東光高岳の株価はその後もしばらくは買いの勢いが衰えず、1月23日には2232円まで上昇しました。1月27日に第3四半期(3Q)の決算が発表されるスケジュールで、これに向けて期待が高まったようにも見えます。
3Q決算確認後は調整色を強める
しかし、決算発表近辺からは流れが変わってきました。3Q累計の営業利益は前年同期比26.2%増の37億5800万円でした。1つ前の上期は23億0100万円で、直近3カ月でもしっかり利益を積み増しています。通期計画44億円に対する進捗率も85.4%と悪くはありません。しかし、この決算に対して株価は下に反応しました。
決算発表前に株価が上昇していた場合、中身を確認した後は材料出尽くしで売られることも少なくありません。3Qは悪くない決算でしたが、投資家目線からは上方修正や増配、自社株買いなど追加の好材料がなかったという点からの物足りなさはありました。
また、EV急速充電器が含まれるGXソリューション事業セグメントが今3Qでは前年同期比で減収、セグメント赤字拡大となっており、現時点でこの分野の業績貢献が確認できなかったことも売り材料になったと推測されます。
上げて萎んで仕切り直し
値動きを見た1カ月では、大きく買われた後に失速して結局小動きとなりました。
期間中の高値が2232円まであり、ここで売れれば短期間で大きく利益を取ることができました。しかし、決算の内容次第ではもう一段買われる可能性もあっただけに、その判断は難しいところです。
ただ、決算を受けて失速した後、2000円を割り込む場面では底堅さも見られます。足元では新体制となったトヨタ(7203)がEVに力を入れるといったニュースも出てきていますので、再び急速充電器に対する注目度が高まってくるかもしれません。年初に大きく上昇する手前では1800円近辺でもみ合っていましたので、1800円を割り込むことなく水準を切り上げていけるかどうかが、この株を見る上での一つのポイントになると考えられます。