特定の銘柄の値動きを1カ月間追いかけてみる「あの銘柄を買ってみた!」
今回はJT(日本たばこ産業)を取り上げます。証券コードは2914、東証プライムに上場しており、日経平均の構成銘柄にもなっています。
高配当銘柄の代表格
JTと言えば、配当利回りの高い銘柄として知られています。会社では今23.12期に関して、中間期では1株あたり94円の配当実施を決定、下期でも同額の94円の配当を計画しています。年間では188円となり、11月21日時点の終値3718円で計算すると、配当利回りは5.06%となります。
2023年の株価は右肩上がり
今年の株価は強い動きとなっています。以下は日足、週足のチャートとなりますが、どちらも右肩上がりとなっています。
2023年は大型株優位の地合いが続きました。同社は食料品セクターに属していますが、他の食品株も今年非常に強い動きとなったものがいくつかあり、資金が流入しやすい環境が続いています。
12月は権利確定の月
JTは12月決算銘柄のため、来月12月が権利確定月となります。配当を期待して長期で保有したいと考える投資家からの買いは入りやすい時期となります。一方、今年のパフォーマンスがすこぶる良いため、利益確定売りも出やすい水準になっているとも考えられます。
上記の表では、JTの権利確定月の前月および当月のパフォーマンス(2020年以降)を掲載しています。配当利回りの高さが周知されている分、前月には先回りで買いが入っている傾向が見て取れます。なお、当月(6月・12月)は月末に配当落ちの影響を受けますので、月全体でみるとパフォーマンスが高まりづらい傾向があります。
高配当銘柄の順張り戦略に妙味はあるか?
今回は、「高い配当利回り」という明確な買い材料があるものを、株価の位置が高いところで買っても報われるのかどうか、ということを確認する目的で、この銘柄を選んでいます。2023年11月21日時点での予想PERは14倍程度。割高でも割安でもなく、妥当な水準です。
11月21日の終値は3718円でした。ここで購入したと仮定して、1カ月後、12月21日(木)の株価と見比べます。手数料・税金等は考慮しません。100株単位で最低購入代金は37万1800円となります。なお、実際の購入の場合には、12月27日(水)に株式を保有していることが配当の権利を得る条件となりますので、その点はご注意ください。また、翌12月28日(木)は権利落ちにより、見た目の水準が大きく切り下がることが予想されます。
ここまでの強い基調が継続して、権利を獲得したい実需の買いを巻き込んで一段高となっていくのか、権利獲得を前にトレンドに変化が出てくるのか。皆さんも、ここから先の株価がどう動くのかをイメージしてみてください。
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