特定の銘柄の値動きを追いかけてみる「あの銘柄を買ってみた!」今回はRIZAPグループを取り上げます。証券コードは2928。札幌証券取引所のアンビシャス市場に上場しています。
「chocoZAP(ちょこざっぷ)」が拡大中
RIZAPグループは、CMが非常に印象的なパーソナルトレーニングジム「RIZAP(ライザップ)」で有名ですが、最近では、低価格のジム「chocoZAP(ちょこざっぷ)」に力を入れています。
「chocoZAP」は、RIZAPグループとしては「コンビニジム」という位置づけで、月額2,980円(税込3,278円、別途初期費用、2023年6月5日時点)で24時間365日、全店舗が利用可能となっています。無人のジムでトレーナーなどはいませんが、器具の使い方や活用法などの動画が作成されており、スマートフォンなどで視聴することができます。一般的なジムに比べると、器具はシンプルです。
一般的なジムでは運動に適した服装や靴での利用が求められますが、「chocoZAP」にはそれがありません。それこそスーツに革靴で利用しても良く、まさにコンビニ感覚で気軽に体を動かしてもらうことを目的としたジムになっています。
パーソナルジムの方は、「結果にコミットする」ことを目的に、高付加価値のサービスを提供しています。RIZAPグループは、ボディメイクに関心のあるコア層とライト層の両端を抑える戦略を採っていると言えます。
本決算を確認して株価は大きく下落
株価の方は、4月に大きく上昇しましたが、決算を確認した5月に大きく下落しました。前23.3期に関しては、売上収益は計画を上回りましたが、営業赤字の着地となり、赤字額も計画よりも大きなものとなりました。chocoZAP事業に関して、出店および広告に力を入れたことが要因です。また、前23.3期が45億円の営業赤字となったのに対して、今24.3期も45億円の営業赤字を計画しています。
前期が計画よりも赤字が増えたこと、今期も営業赤字が大きく縮小する計画とはならなかったことから、決算を受けた5月16日に大幅安となり、しばらく下げ基調が続きました。
一方、4月からの上昇分を消失して、4月3日の安値に接近したところでは売りが一巡したようにも見えます。
「chocoZAP」に関しては、会員が店舗に属する形態ではなく、どの店舗を使っても良いことから、店舗数が多いことが顧客の利便度・満足度を高めることになります。そのため、しばらくは投資がかさむ状況が続くと思われます。一方、会員数が増えれば安定収益が期待できます。リーズナブルな金額設定であることから、解約リスクは一般的なジムと比べると低くなることが予想されます。
積極投資は実を結ぶか?
RIZAPグループの6月6日の終値は160円でした。今回はここから1カ月間の値動きを追っていきます。100株単位ですので最低投資金額は1万6000円となります。7月6日(木)の終値と比較します。手数料や税金等の影響は考慮しません。
なお、前期は赤字、今期も赤字見通しの企業ですので、投資という点ではハイリスクの部類に入ります。東証ではなく札幌アンビシャス市場の銘柄ですので、流動性には難があります。この銘柄を推奨する目的ではありませんので、その点はご了承ください。
積極的な出店は続けていますので、これが実を結ぶことへの期待が改めて高まってくるのか、それとも業績への懸念が強い状況が続くのか、非常に興味深い局面です。費用先行型のビジネスは、投資の回収期に入ったことが確認できれば、株式市場での評価が一気に高まることもあります。一方、赤字の状態が長期化したり、赤字の額が膨らんでくると、財務リスクが強く意識されます。
皆さんの行動エリアにも「chocoZAP」の出店が増えてくるかもしれません。こういったサービスを身近に感じられる企業について、株価にも関心を持てるようになると、投資のアイデアが色々なところから出てきます。1カ月後に値動きを振り返りますので、投資の筋肉をつける感覚で、ここからの株価がどうなりそうかについてイメージしてみてください。
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