身近なニュースが株式投資の「ネタ」になる
株式投資に関して、「自分にはハードルが高い」と考えている人は多いかと思います。しかし、難しく考える必要はありません。普段目にするニュースなども、株式投資の「ネタ」となります。ここでは、話題になった企業を取り上げ、その企業の株式を買ったとシュミレーションし、その銘柄がどうなったかを後日(1カ月後)に検証してみたいと思います。
株価の値動きを追跡することで、株式に対する興味を深めていただきたいということが目的ですので、その銘柄を推奨することを目的とはしておりません。
初回は回転寿司のスシローを取り上げます。スシローは濃厚なウニのメニューなどで広告を打ったにもかかわらず、多くの店舗では在庫不足が発生していたということで、2022年6月に消費者庁から措置命令を受けました。「おとり広告」を使ったとして、メディアでも大きく取り上げられました。
不祥事銘柄を買って上がるの?
ここからは、スシローの株価について掘り下げていきたいと思いますが、現在、スシローという名前の銘柄はありません。スシローグローバルホールディングスという会社が2021年4月1日に、FOOD & LIFE COMPANIES(以下:F & LC)に社名変更しており、「スシロー」はこの企業が展開している主力のブランドになります。「スシロー」のほか、「京樽」、「回転寿司みさき」、「鮨酒肴 杉玉」などのブランドも展開しています。証券コードは3563、東証ではプライム市場に属しています。
株式投資の経験が少ない方であれば、「スシローは不祥事でニュースになったのだから、買っても上がらないのでは?」といった見方もあるかと思います。確かに、悪いニュースが出てくると、株価は下がることが多いです。ただし、ある程度下げた後には、反発を期待した買いも入りやすくなります。株式投資で利益を出す(買いの場合)には、買った後に株価が上がらないといけません。その意味では、悪い材料=買えないではなく、出てきた内容を見極めることが重要となります。
今回のニュースであれば、「こんな消費者をだますようなことをする企業は許せない!」と考える人もいるでしょうし、「やったことは良くないけど外食企業は今、事業環境も大変だからなぁ」と同情的に考える人もいるでしょう。株価を見る上では、このニュースでブランドイメージが悪くなり、来店する人が減ってしまうようだと、長期的な株価の下落要因となります。一方、客足がそれほど落ち込まないようであれば、株価の下落は一時的にとどまるかもしれません。
ちなみに、F & LCの株価が大きく下落した6月10日には、同業のくら寿司(証券コード:2695)が強く買われるといった動きが見られました。株式市場では、こういった連想ゲーム的な動きも多く見られます。
優待・配当面からは株価下落時は買いチャンス
株式に関しては、株主優待、配当といった要素もあり、特に外食企業では株価が下落した際に、優待目的での買い需要が高まることがあります。同社の株主優待は、100株保有の場合、グループ企業で使える株主優待割引券(550円分が2枚)が、年2回もらえます。優待による年間の割引額は2200円となります。(2022年7月5日時点)
1カ月後の株価を予想してみる
F & LCの株価は、6月10日にニュースが伝わり、大きく下落しました。6月10日の株価は前日比110円安の3080円。ニュースで売られた後も、さらに大きく株価が下落しています。6月後半には切り返す動きも見られました。ただ、7月4日に6月の月次を発表しており、スシローの既存店売上高が前年同月比でマイナスとなったことから、翌7月5日は大幅安となりました。
今回、このタイミングで株価を買ったと想定して、先の値動きを確認することにします。
7月5日の終値は2692円。100株単位ですので、最低の購入金額は2692円×100株で26万9200円となります。なお、実際の株式購入には手数料がかかりますが、値動きを追うことが目的のため、ここでは敢えてこの影響は考慮しないこととします。そして、1カ月後、8月5日(金)の終値がどうなったかを、後日確認してみたいと思います。
悪いニュースが出てきて株価も下げが続いています。ただ、ここからさらに1カ月後はどうでしょう?あまり難しく考えず、ゲーム感覚で「自分だったら買い(もしくは見送り)かなぁ」とイメージしてみてください。まだ下げが足りないと思うのであれば、売りから入る手法もあります。
株式投資で成功するために重要なのは、ちょっとした興味を持つことです。ここで株価が上がるか下がるかを予想して、その上でスシローの店舗の前を通りがかったり、実際に飲食をした際には、また新しい発見が出てくるかと思います。
1カ月後の株価が確定した際には「答え合わせ編」として、その間の値動きについて考察します。またその中でも、株式投資のヒントになるような話をお伝えできればと思います。ぜひ、このページを離れる前に、この銘柄に自分なりのジャッジをしてみてください。
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