特定の銘柄の値動きを1カ月間追いかけてみる「あの銘柄を買ってみた!」
今回は2024年5月に取り上げた九州電力(9508)の値動きを振り返ります。
1カ月後の株価は大幅安
7月1日の終値は1633円でした。5月29日の終値は1880.5円でしたので、値動きを見た1カ月では247.5円の下落となりました。18万8050円が16万3300円となり、-247.5円×100株で2万4750円の下落(手数料・税金は考慮せず)となりました。
下落率は13.2%で、値動きを見た期間ではかなり大きな下落となりました。
上昇一服から調整色を強める
それでは、この間の値動きを見ていきましょう。
株価は5月29日に天井を打ち、以降はそれまでとはガラッと動きが変わってきました。6月序盤に戻りを試したものの、売り直されると中盤以降は下げ基調を強めました。
九州電力だけでなく電力株全般が崩れており、同じ期間の東京電力ホールディングス(9501)は7.5%安、北海道電力(9509)に至っては29.9%安と暴落しました。
崩れた銘柄の損切りタイミング
実際のトレードでも、株を買ったとたんに崩れるといったことはあります。今回の九州電力のように強かった銘柄が一転して弱くなった場合には、見切り売りが加速して下方向に勢いがついてしまうことも少なくありません。
そこで、テクニカルの観点から、損切りを検討するならどこが適切であったかについて振り返ってみます。ここでは2点挙げています。
1点目は、ガクッと下がってリバウンドした後、前の高値を超えられなかった6月7日です。5月29日の取引時間中に1958円まで上昇した後、6月4日に1700円まで下落しました。しかし、5日、6日と連日で上昇し、7日には1902円まで水準を切り上げました。ただ、この7日は下落で終えており、その前の高値1958円を超えられず、ローソク足では上に長いヒゲをつけた陰線を形成しています。動きが良くなりかけてきたところで戻り売りが上値を抑えており、警戒すべき動きであったといえます。
2点目は、25日移動平均線を下回った6月13日~17日辺りです。日足のチャートで25日線は重要な節目となります。押した際にこの近辺で反転することもよくあり、九州電力も6月13日に大幅安と25日線を割り込んだ後、翌14日にはいったん切り返して25日線を上回っています。しかし、17日に再び25日線を割り込んだことで、以降はダラダラと下げが続きました。
今回の場合、前の高値を超えられずに失速し、そこから間を置かずに25日線を明確に割り込んでいます。後講釈にはなりますが、ポイント①では損切りを決断できなかったとしても、ポイント②では損切りが必要であったかもしれません。ちなみに、この時の25日線は1730円近辺に位置していました。
1600円近辺で売りが一巡するかがここからの焦点
値動きを見た期間では大幅安となりました。上昇期待が大きく後退しているので、まずは売り圧力が和らいでくるかどうかが注目されます。日足のチャート形状は大きく悪化しましたので、週足チャートで落ちつきどころを探ってみましょう。
足元では13週移動平均線が1650円近辺に位置しており、この近辺でやや下げ渋る動きが見られます。25日線同様に明確に割り込んでしまうとそのことが見切り売りを誘う材料になりますので、1600円近辺で底打ち感が出てくるかどうかが目先の焦点となります。
明確に割り込んだ場合には、26週線が足元では1430円に位置していますので、1400円~1500円辺りまでは調整が続くとみておいた方が良さそうです。