第131回でFX投資詐欺をテーマに取り上げたが、この被害はとても悔しむことであり、FX詐欺の手口などについてもうちょっと詳しく伝えようと思います。
FX取引では、勧誘の要請をしていない顧客に対し、訪問又は電話をかけて店頭FX取引を勧誘することが禁止されています。投資者に勧誘を受ける意思の有無を確認せずに勧誘することや契約しない旨の意思や引き続き勧誘を受けることを希望しない旨の意思を示したにもかかわらず、勧誘を継続することも禁止されています。
また、同じ通貨ペアの売りと買いのポジションを同時に保有する両建て取引は、取引コストを二重に負担することやスワップポイントが相殺されることなど、経済合理性を欠くおそれがあることから、金融商品取引業者が両建てを勧誘することは禁止されています。
FX詐欺の手口
●現実的な利益の約束
FX詐欺の手口の一つに、非現実的な利益を約束するという方法があります。短期間で高い利益を保証しますが、それは現実的ではありません。よく「見ているだけで自動的に稼げる」とか、「リスクはほとんどゼロ」などの宣伝文句が使われます。これらの手口は、初心者をターゲットにしており、投資の詳しい仕組みや方法が不明瞭であることが特徴です。
●高額な参加費や手数料の要求
FX詐欺の手口の中には、高額な参加費や手数料を要求するものもあります。一般的に、健全な運営をしているFX業者は、透明性の高い料金体系を持っており、費用の根拠についても明確に説明します。投資家は、費用の内訳や使途について疑問を持ち、納得できない場合には、その業者を避けるべきです。
●高額な自動売買ツールの高額販売
FX詐欺の手口として、高価な自動売買ソフトウェアやシステムを販売するという方法があります。詐欺師は、これらのツールを購入すれば、すぐに元を取ることができると宣伝します。しかし、ツールの実績や効果についての根拠は乏しいことが多いです。投資家は、自動売買ツールに頼りすぎることなく、自身の知識と判断力を磨くことが重要です。
●偽の証拠や証言の提示
FX詐欺の手口の一つに、偽の証拠や証言を提示するという方法があります。偽の取引実績、収益データ、または顧客の証言を提示することがあります。「サクラ」と呼ばれる人物が、いかにも儲かったというような証言をすることもあります。
近年、AI技術の発展により、架空の人物の写真や音声を作成することが容易になりました。これらの技術を悪用し、架空の専門家や投資家の証言を捏造する詐欺師も存在します。投資家は、より一層慎重に情報を見極める必要があります。
●出金の拒否
FX詐欺の手口の一つに、出金を拒否するという方法があります。何かと理由を付けて、投資家からの出金要求を遅延したり、拒否したりします。例えば、追加の手数料や書類を要求し、出金を妨げることがあります。また、出金条件を一方的に変更し、投資家が資金を引き出せなくすることもあります。正当なFX業者は、投資家の出金要求に迅速かつ誠実に対応します。出金プロセスが不透明であったり、理不尽な要求があったりする場合には、詐欺の可能性を疑うべきです。