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第149回 FX、マイルールを徹底

ボラティリティが高い

トランプ氏の米大統領の返り咲きで、金融市場全般の不安定な動きが続いています。トランプ関税への不安で、一時、米株安・米債券安・ドル安のトリプル安になりました。 足元でもトランプ大統領の発言等を受けて相場が乱高下するなど、ボラティリティの高い市場環境は続いています。

 

マイルールを徹底

ボラティリティが高い時こそ損切りのルールを怠けないなどマイルールを徹底しなければなりません。相場が不安定な動きのなか、損切りレベルの設定次第では勝てるチャンスを逃がし、結局損切りで終える取引が増える可能性があります。損切った後の相場の戻りを目の当たりにし、「損切りしなければよかった」と損切り設定を後悔したくなるが、損切りのルールを守らないと取り返しがつかない大きな損が出る可能性があります。

 

FXですべての取引を利食いで終わらせることはほぼ不可能であり、トレードルールに沿って思惑と逆の方向に相場が動いた場合にはポジションを損切りすることが重要です。人は利食いが早く、損切りを避ける傾向があり、これを「プロスペクト理論」と言います。FX取引で損切りはじめのうちは難しいですが、損切りしてポジションを減らすことで資金面・精神面で余裕ができ、自身のトレードを冷静に振り返ることができます。

 

FXの基礎知識を増やし、ご自身の取引を振り返りながら「勝てない状況から抜け出すコツ」を身につけ、改めてマイルールを作って徹底することが大事です。

 

FXに必勝法はない

FXは利益が出る可能性だけでなく、損失が出る可能性がある投資方法です。そのため、必勝法と呼ばれるものは存在しません。「1発でドカンッと儲ける」のではなくいかに「勝ち負けを繰り返しながら口座のお金を増やしていくこと」に心掛けることが重要です。そのためには損切りは絶対必要なものになります。後々、「大損して借金地獄になった」「数千万円が数日でなくなり破産した」などにならないためには、自分の損切りルールが定まるまでは少額で投資を行い、勝つことだけに固執せず、「負けは必ずある」ということを理解し、損小利大の姿勢で臨むことが大切です。

 

勝てない理由

「俺は何で勝てないだろう」と思う人も少なくないが、もちろん勝てない理由はいろいろありますが、「損切りができない」のが大きな要因となります。「損切りができない」というのは、「損切りを設定しない」「損切りが下手」「損切り水準をゴロゴロ変える」「損っきりを徹底しない」などを含めます。損切り以外にも勝てない理由としていろいろありますが、「レバレッジを高くかけすぎている」「相場の流れをつかめていない」「勉強、改善の姿勢が足りない」なども取り上げられます。

 

●レバレッジを高くかけすぎている

レバレッジはFX取引における大きな魅力的の一つですが、安易にナンピンや、高レバレッジを用いるとロスカットのリスクが高まり、資金管理がタイトになるため相場の急変時に損切りが間に合わないこともあります。

●相場の流れをつかめていない

FX取引は相場のトレンドに乗ることは非常に重要です。チャートから相場のトレンドがつかめない場合、市場に不確実要因が多すぎる時などは取引回数を減らすのも大切です。また、レンジ相場(ボックス相場)は一見簡単そうに見えますが、実際にはエントリー難易度が高いため、レンジアウトした時に損切りができるように逆指値注文をセットし、トレンドが出てきたタイミングで流れに乗ることを意識しましょう。

●勉強、改善の姿勢が足りない

FX取引に関しての勉強や相場分析が不足していると利益チャンスを逃すだけでなく、不必要なトレードが増えることで損失が積み重なってしまう可能性があります。ファンダメンタル分析」や「テクニカル分析」を通じて様々な角度から分析し、取引に臨むことがベストであり、失敗したときは失敗の要因を突き止め、教訓を活かし徹底的に改善することが必要です。

この連載の一覧
第149回 FX、マイルールを徹底
第148回 FX詐欺の手口
第147回 信認低下のドル、売り圧力が継続
第146回 半導体を制するものが世界を制する
第145回 米中会談、過度な期待は禁物
第144回 加ドル、米加首脳会談に注目
第143回 日米協議、円安是正に一安心も警戒残る
第142回 関税方針、トランプ氏の正念場
第141回 トランプ氏の脅かし、中国には通用しない
第140回 トランプ関税、ポンド相場への影響
第139回 RBA、追加利下げは5月か
第138回 英中銀、慎重な利下げペース維持
第137回 ドイツの大規模な財政拡大策
第136回 中国、今年GDP成長目標を5%前後に
第135回 米消費者信頼感指数、消費鈍化を示唆
第134回 リーダー不在のEU
第133回 各国中銀の利下げも、トランプ関税効果を薄めるか
第132回 円と加ドル、IMMポジションの変化
第131回 FX取引、投資詐欺に注意
第130回 FX、リスクも把握した上で取引を
第129回 トランプ氏VS中国
第128回 トランプトレードはいつまで続くか
第127回 ポジションの手仕舞い
第126回 今年最後の日米金融政策会合
第125回 中国景気、改善傾向もトランプリスク高まる
第124回 尹韓国大統領の戒厳令騒動
第123回 ポジションの管理
第122回 ドル円、160円台復帰はあるか
第121回 AI・FX取引
第120回 FX取引はギャンブルなのか
第119回 FXの確定申告
第118回 元キャリートレードの復活に注意
第117回 ドル円 8/1以来の150円台
第116回 ポンド、雇用・物価データの見極め
第115回 中国、景気支援策を強化
第114回 自民党総裁選、サプライズの結果に
第113回 景気回復が鈍いままの中国経済
第112回 最近の円相場、スキャルピング手法が有利か
第111回 最近主要国の金融政策(4)
第110回 最近主要国の金融政策(3)
第109回 最近主要国の金融政策(2)
第108回 最近主要国の金融政策(1)
第107回 投機筋、2週間以内での勝負多い
第106回 トランプVSハリス
第105回 来週の日銀会合、利上げは?
第104回 イベント・材料の認識から消化まで
第103回 経済指標の基本知識
第102回 勝つために情報本質の見極めは大事
第101回 押し目買いの罠
第100回 円安・円高の影響
第99回 円キャリートレードは正念場
第98回 ドル・ブル=ドル買いではない
第97回 ドル円 200円になったら
第96回 デイトレードの基本は順張り
第95回 ドル円、どこに向かうのか
第94回 FX、初心者に多い失敗例
第93回 本間宗久が残した相場の極意
第92回 基軸通貨のドル、強い
第91回 外国為替相場制度
第90回 米長期金利とドル円
第89回 RBNZ政策金利とNZドル円
第88回 日銀、利上げに踏み切るも円安
第87回 日本、「金利のある世界」に向かう
第86回 豪中銀と政策金利
第85回 トランプ氏の再選リスク
第84回 加中銀とその金融政策
第83回 英中銀とMPC
第82回 ECBと理事会
第81回 FRB 、FOMC
第80回 人民元の基準値
第79回 円キャリートレード
第78回 日銀、1月会合でマイナス金利解除を見送るか
第77回 ドル円 ゆく年くる年(2)
第76回 ドル円 ゆく年くる年(1)
第75回 ポジションの偏り
第74回 ユーロ圏、厳しい財政ルール
第73回 米国の双子の赤字、ドル相場への影響は?
第72回 日本の貿易収支
第71回 国際収支と為替(2)
第70回 国際収支と為替(1)
第69回 円買い介入警戒感が続く
第68回 FXにも山・谷がある
第67回 FX、時間軸視点も大切
第66回 PPPよりかなりの円安
第65回 購買力平価説
第64回 米大統領選とドル相場
第63回 円の実質実効為替レート、50年ぶりの低水準
第62回 実質実効為替レート、通貨の強弱が分かる
第61回 FX取引には時間・季節も影響
第60回 プロと素人
第59回 相場に入る・離れるタイミング
第58回 FX、成功する人・失敗する人
第57回 外貨預金にも使えるFX取引
第56回 FXトレードスタイル(3)
第55回 FXトレードスタイル(2)
第54回 FXトレードスタイル(1)
第53回 近年の相場の軸足
第52回 FX相場の軸足
【第51回 ドル・ユーロ・円、3大通貨に注目】
【第50回 FX、取り組みのタイミング】
【第49回 大局観下でのアプローチ】
【第48回】大局観、身につけよう
【第47回】FX取引の投資資金
第46回 相場と真摯に付き合う
第45回 金相場と為替
第44回 うわさで買って、事実で売る
第43回 原油相場と為替
第42回 金利差拡大ならお金は金利の高い国へ
第41回 貿易収支と為替相場
第40回 米国、なぜドル高にこだわるのか?
第39回 景気と為替相場
第38回 先物市場で投機筋の動きを把握
第37回 米SVB経営破綻の為替相場への影響
第36回 インフレと為替
第35回 FX、最強の参加者は?
第34回 為替レートの安定は為替ディーラーに不利なのか?
第33回 FXの自動売買取引
第32回 注目度の高い米雇用統計
第31回 リスクオン・リスクオフ取引
第30回 注目度の高い経済指標
第29回 アフリカの人気通貨 南アフリカ・ランド
第28回 安全資産・逃避通貨のCHF
第27回 2023年の為替相場
【FX、やるならお得に】第26回 年末年始の取引に注意
【FX、やるならお得に】第25回 急落で魅力低下の高金利通貨(トルコリラ)
【FX、やるならお得に】第24回 多難も地位が上がりつつある通貨(人民元)
【FX、やるならお得に】第23回 NZドル、豪ドルに似た動き
【FX、やるならお得に】第22回 米国と結びつきが深い通貨(加ドル)
【FX、やるならお得に】第21回 資源国通貨(豪ドル)
【FX、やるならお得に】第20回 変動幅が大きい通貨(ポンド)
【FX、やるならお得に】第19回 取引量第3位(円)
【FX、やるならお得に】第18回 取引量が第2位の通貨(ユーロ)
【FX、やるならお得に】第17回 取引量が最も多い通貨(ドル)
【FX、やるならお得に】第16回 ファンダメンタルズ
【FX、やるならお得に】第15回 順張り・逆張り
【FX、やるならお得に】第14回 為替レートはテーマで動く
【FX、やるならお得に】第13回 為替の変動要因
【FX、やるならお得に】第12回 FXはゼロサムゲーム?
【FX、やるならお得に】第11回 FX取引の注文方法
【FX、やるならお得に】第10回 外国為替取引の中心はドル
【FX、やるならお得に】第9回 外国為替市場と為替レート
【FX、やるならお得に】第8回 FX取引で大事なこと
【FX、やるならお得に】第7回 スワップポイント
【FX、やるならお得に】第6回 FX、利益を得る仕組み
【FX、やるならお得に】第5回 買値、売値とスプレッド
【FX、やるならお得に】第4回 FXの「レバレッジ」
【FX、やるならお得に】第3回 まず「FX」のこと、ちゃんと理解しましょう
【FX、やるならお得に】第2回 そもそも為替って何?
【FX、やるならお得に】第1回 敵知らずして勝利なし!

為替情報部 アナリスト

金 星

中国出身。横浜国立大学大学院卒業後、国内商品先物会社に入社。 外国為替証拠金取引会社へ出向し、カバーディール業務に携わりながら市況サービスも担当。 2013年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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