週明けの日経平均は小幅続落、5日線を下回る
週明けの日経平均は小幅続落。円安進行や米半導体株指数の上昇などを好感して序盤は上げ幅を3桁に広げる場面がありましたが、買い一巡後は売りに押される展開となりました。日足ローソク足は先週末に続いて陰線となり、5日線を下回って終えました。
東証プライム市場の売買代金は概算で3兆3,300億円。値上がり銘柄数612に対して、値下がり銘柄数975と値下がり優位の展開でした。業種別では、繊維、その他製品、ゴム製品などが上昇した一方、陸運、石油・石炭、空運などが下落しました。
個別では、フジクラ(5803)や古河電工(5801)など電線株が大幅上昇。半導体株の動きがよく、ソシオネクスト(6526)が商いを伴って値を飛ばしました。売買代金上位では、ディー・エヌ・エー(2432)やパナソニックHD(6752)の上昇も目立ちました。一方、防衛大手3社が軟調。12月日銀会合での利上げ見送り観測を受けて東京海上(8766)やMS&AD(8725)など保険株の一角が軟調だったほか、OLC(4661)やサンリオ(8136)などの下げも目立ちました。
週足でみるディー・エヌ・エーの株価推移
図表は、ディー・エヌ・エー(2432)の2016年1月からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、週間ベースの出来高の推移です。
2020年3月安値(1,043円)を始点とした上昇相場は2021年6月高値(2,383円)で一巡し、長い調整局面に移行しました。
2021年6月高値を始点に中段保ち合いを経由し、二段下げの動きが確認できます。一方、今年2月安値(1,213.5円)で下げ止まり、再び強い上昇相場に進展しています。
重要なポイントは、今年2月安値が2020年3月安値を下回らなかった点です。さらに、今年2月安値を始点とした上昇で、2021年6月高値(抵抗線①)を出来高の増加を伴いながら上回ったことです。
これによって、2016年9月高値(3,955円)を始点とした大きな下落相場が、上昇相場に変化した可能性を高めることになったからです。
一般的に、上昇相場は安値を切り上げながら上値追いとなる動きです。逆に、下落相場は高値を切り下げながら下値模索となる動きです。
このケースは、2016年9月高値を切り下げる大きな下落相場でしたが、2021年6月高値を上回ったことで、今年2月安値が2020年3月安値を切り上げるパターンを確認したことになり、上昇相場入りの可能性を高めたことになります。
現状、2017年11月につけた戻り高値(2,877円)が抵抗線②として、上値のフシとなります。抵抗線②を上回ることができると、2016年9月高値が次の大きな目標値であり、上値のフシとなりえる重要なポイントになる、という見方になります。
一方、出来高が減少すると株価は短期的な調整を迎えることが予想されます。調整時の下値のフシとなりやすいのは2021年6月高値ですが、2021年6月高値を下回った場合は2023年5月の戻り高値(2,053円)が支持線として、下値のフシとなりえる水準となります。