週明けの日経平均は反発
週明けの日経平均は反発。米国株高を受けて上昇スタートとなりましたが、戻り売りに押されてマイナス圏に沈む場面もありました。一方、36,700円近辺から鋭角的に切り返し、後場は底堅く推移。終値では37,000円を回復する展開となりました。
東証プライム市場の売買代金は概算で4兆1,700億円。値上がり銘柄数656に対して、値下がり銘柄数928と値下がり優位の展開となりました。業種別では、鉱業、精密機器、輸送用機器などが上昇した一方、その他製品、鉄鋼、銀行などが下落しました。
個別では、OLC(4661)や古河電工(5801)などの強さが目立ったほか、大阪チタニウム(5726)や東邦チタニウム(5727)のチタン2社が急伸。複数社から買収提案を受けていることが観測報道やリリースなどから判明した牧野フライス製作所(6135)が後場急伸しました。一方、防衛大手3社が大幅安。ゲーム大手の任天堂(7974)やソニーG(6758)が連日で大きく水準を切り下げる動きとなりました。良品計画(7453)、アシックス(7936)、サンリオ(8136)など、最近で市場からの評価が高かった銘柄に値を崩すものが散見されました。
週足でみるアシックスの株価推移
図表は、アシックス(7936)の2023年10月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎなどをみるオシレータ系指標で代表的な相対力指数のRSI(9週ベース)の推移です。
大局的には下値を切り上げる上昇相場が続いています。一方、上場来高値(3,842円)をつけた2月17日を含む週足ローソク足は上ヒゲの長い陰線を形成し、それをきっかけにスピード調整の展開となっています。
先週は、13週移動平均線を終値で下回りましたが、昨年8月安値(1,810.5円)と11月安値(2,424円)を通る右上がりのトレンドライン①まで下げたところでした。
今週は、トレンドライン①上からの反発に期待したいところでしたが、週明け3月10日の取引であっさりと下回り、さらに26週移動平均線を下回るまで売られる展開となりました。
週末の終値で26週移動平均線を下回ると、次の主要な下値メドとして52週移動平均線やトレンドライン②まで下落余地が生じることになります。
相対力指数のRSI(9週ベース)も先週時点で54.4%と強気局面の50%以上を保っていましたが、週明けの下落で41.2%と50%を下回っています。週末の終値で50%を下回ると、当面の弱気局面入りを示唆することになるでしょう。
52週移動平均線やトレンドライン②などまで調整が進展する場合でも、昨年11月安値(2,424円)を支持線として意識して下げ止まることができれば、売られ過ぎによる値ごろ感からリバウンドが予想されます。
一方、初動のリバウンドは短期的にとどまる可能性が高いです。ただ、その際のポイントはリバウンドの値幅の大きさです。リバウンドの値幅が大きくなれば、もみ合いを通じて将来的には再び高値更新つながるシナリオが想定されます。
ただし、リバウンドの値幅が小さければ、13週移動平均線が26週移動平均線を下回るデッドクロスの弱気シグナルが発生しやすくなり、小さなリバウンドが一巡した後は再び下落相場に発展する流れになることが多いといえます。
52週移動平均線まで調整が進展した場合だけに限ることではなく、26週移動平均線から早々にリバウンドが発生する場合でも考え方は同じです。リバウンドの大きさは次の展開に影響を及ぼすことが多いため、それを観察することは重要なポイントになります。