日経平均は反発、ほぼ全面高の展開
週明け29日の日経平均は反発。東証プライムの売買代金は概算で3兆9,000億円程度、値上がり銘柄数1345に対して、値下がり銘柄数277とほぼ全面高の展開となりました。
決算発表が本格化する中、通期見通しを上方修正したファナックは買い気配スタートとなったものの、高寄り後は失速して下落で終了。信越化学は3Q累計の営業減益決算が市場予想も下回り売り材料となりました。一方、3Q累計が営業減益決算ながらも市場予想並みであったことに加え、同時に発表した自社株買いが好感された日東電工が上場来高値を更新する動きとなりました。
週足でみる日東電工の株価推移
図表は、日東電工(6988)の2003年7月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線を挿入したチャートが上段、下段は52週移動平均線からのかい離を示したチャートです。
長期的な値動きは大きな上げ下げのうねりはあるものの、上値と下値を切り上げる長期上昇波動を形成しています。
新型コロナショックを要因に急落した直後につけた2020年3月安値4,115円を起点とした上昇局面では、2年程度の踊り場を経て上昇加速の様相を強めています。そういった状況の中、今回の決算好感を通じて、2017年11月の上場来高値11,750円を更新する展開となりました。
長期上昇波動といえども、過去の高値水準から比較して過熱感はなく、2006年2月高値10,890円を起点に2017年11月高値を通る緩やかな右上がりの上値抵抗線を突破できれば、大化けの可能性も秘めているといえるでしょう。
まずは、2008年12月安値1,412円から2017年11月高値11,750円までの上昇値幅を2020年3月安値から同値幅上げたと仮定した14,450円処が次のターゲットになります。
52週移動平均線からのかい離率をみても、過去の高値形成時と比べると過熱感はなく、2025年に向けて上値余地は意外と大きくなる展開も予想されます。