週明けの日経平均は続落
週明けの日経平均は続落となりました。米国株安を受けても3桁の上昇スタート。24日の大引け後の植田日銀総裁会見を無難に消化したとの見方から、幅広い銘柄に買いが入りました。一方、中国のスタートアップ企業DeepSeek(ディープシーク)の開発するAIが米国テック企業に脅威になるとの見方が出てきたことで、後場は下げ幅を拡大して一段安となりました。
東証プライム市場の売買代金は概算で4兆4,600億円。値上がり銘柄数1,280に対して、値下がり銘柄数324と値上がり優位の展開でした。業種別では、不動産、ゴム製品、陸運などが上昇した一方、非鉄金属、電気機器、機械などが下落しました。
個別では、三菱UFJ(8306)、三井住友(8316)などメガバンク3行が上昇。KDDI(9433)、NTT(9432)など通信関連が堅調に推移しました。一方、アドバンテスト(6857)や東京エレクトロン(8035)など半導体株の一角が急落。ソフトバンクG(9984)も急落し、3銘柄で日経平均を500円以上押し下げました。日立(6501)やリクルートHD(6098)などグロース系が軟調。ファナック(6964)が決算発表を前に警戒売りに押されました。
週足でみるソフトバンクGの株価推移
図表は、ソフトバンクグループ(9984)の2020年1月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線を挿入したチャートです。
2021年3月高値10,695円から2022年3月安値4,210円までの下落相場は、2020年3月安値2,609.5円からの上昇幅の大半を帳消しにする調整幅となりました。
一方、2022年3月安値からの上昇相場は上値は限定的ながらも、13週・26週・52週移動平均線を挟んでもみ合い基調が続き、2022年3月安値を切り上げる展開となっていました。
2024年2月に形成した大陽線で抵抗線(A)を上回り、2024年3月には9,386円まで上昇。抵抗線(B)で頭打ちとなり揺り戻しが生じました。一方、かつての抵抗線(A)で下げ止まり、その後の上昇が加速する展開となりました。
2024年7月に12,180円まで上昇し、2021年3月高値を上回りました。2021年3月高値を上回ったことで、2020年3月安値からの大きな波動は上昇基調にあることが確認できました。
2024年8月の相場全体の急落で6,368円まで急落する場面がありましたが、支持線(A)をサポートに持ち直す基調が続いています。
直近では、1月21日(米国時間)にトランプ米大統領がAI開発事業への巨額投資を発表。同社とオープンAI、オラクルの3社が「スターゲート」と呼ぶAI開発の共同出資事業を始めると伝わったことで、大陽線を形成して抵抗線(C)を上方にブレイクしました。2024年7月高値(12,180円)が視野に入ってきており、高値更新が当面のポイントになります。
一方、週明けの1月27日、中国の新興企業が開発した生成AIの新モデル「DeepSeek」が、米テック企業の脅威になる可能性があると報じられたことで、1万円を割り込む急落となりました。それによって、抵抗線(C)付近まで揺り戻しが生じましたが、値固めから上方に再動意がみられるか。あるいは、前週に形成した大陽線を下回り、短期的な下値探りに発展するか。2月相場を占う上で重要なポイントになります。