週明けの日経平均は大幅続落
週明けの日経平均は大幅続落。トランプ大統領が鉄鋼とアルミニウムに関する追加関税を25%から50%に引き上げると発表するなど「関税リスク」が改めて意識されました。安寄り後にしばらく下を試す動きが続き、後場は一段安。一方、緩やかに下げ幅を縮小する動きとなり、後場の高値圏で取引を終了しました。
東証プライム市場の売買代金は概算で3兆8,400億円。値上がり銘柄数562に対して、値下がりは1012銘柄と、値下がり優位の展開でした。業種別では、倉庫・運輸、建設、保険などが上昇した一方、ゴム製品、輸送用機器、精密機器などが下落しました。
個別では、サンリオ(8136)が全市場の売買代金トップとなる大商いで3.4%高。IHI(7013)、富士通(6702)、楽天G(4755)などに強い動きが見られました。NJS(2325)や日本ヒューム(5262)など下水道関連が政策期待から派手に上昇。提携に関するリリースを材料に住友ファーマ(4506)が買いを集めました。一方、アドバンテスト(6857)、SCREEN(7735)などが大幅安。ブリヂストン(5108)や住友ゴム(5110)などタイヤ株も大きめの下落となりました。上期決算発表の延期を検討していると公表したパーク24(4666)が大幅安となりました。
週足でみる住友ファーマの株価推移
図表は、住友ファーマ(4506)の2022年10月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎなどをみるオシレータ系指標で代表的な相対力指数のRSI(9週ベース)の推移です。
大局的な見方としては、2021年6月高値(2363円)からの下落相場が続きましたが、2024年5月安値(279円)を起点に上昇相場に転じた動きが確認できます。
2024年6月の連続陽線が底入れサインとなり、その後の上昇を通じて13週移動平均線が26週移動平均線と52週移動平均線を上回る、強気のゴールデンクロスが出現しました。
今年2月高値(838円)からの調整局面では、一時的に52週移動平均線を下回る場面がありました。しかし、直前安値であった2024年10月安値(496円)を下回ることなく反転上昇となり、かなり強い勢いで高値更新につながりました。
年初来高値となった5月高値(1060円)は2022年11月高値(1099円)を超えられずに上昇一服となり、3週連続の陰線で13週移動平均線までスピード調整となりました。
短期的には13週移動平均線をサポートに反発できるかが焦点となります。RSI(9週)も50%水準あたりまで低下しましたが、強気のモメンタムを維持するためには50%から再び上昇に転じるかが焦点となります。
週明けの6月2日は大幅高となり、週足では13週移動平均線をサポートに陽線を形成し、RSIは上昇しました。これが週末の終値ベースで保つことができれば、年初来高値にトライする動きにつながることが予想されます。
一方、半値戻しの900円程度までで戻りが一服し、再び下落に転じることで13週移動平均線を割り込む展開も想定されます。RSIが上昇した場合でも、高値水準を切り下げる抵抗線までの勢いにとどまることも考えられるからです。
年初来高値を更新するとなると、かなりの強い勢いが必要になります。半値戻しを超えて上昇し、RSIが抵抗線を超えるぐらいの勢いが生じるかが一段高の可能性を高めるポイントになるでしょう。