週明けの日経平均は大幅反発
週明けの日経平均は大幅反発。2月28日の米国で長期金利の低下やエヌビディア株の上昇を背景に、ダウ平均やナスダックが大幅高となったことが好感されました。前場は上げ幅を500円超に広げた後は伸び悩みましたが、後場は再び買い戻しが強まり、高値圏で取引を終了しました。
東証プライム市場の売買代金は概算で4兆1,800億円。値上がり銘柄数1407に対して、値下がり銘柄数202と値上がり優位の展開となりました。業種別では全33業種が上昇。サービス、保険、輸送用機器などの動きが良かった一方、その他製品、金属製品、化学などが相対的に見劣りしました。
個別では、トランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領のホワイトハウスでの交渉が決裂し、地政学リスクが意識されたことから、三菱重工業(7011)、IHI(7013)など防衛関連が急伸。自己株取得を発表したリクルートHD(6098)の上昇が目立ったほか、暗号資産関連株が物色されました。一方、DeNA(2432)が売買高を伴って大幅安。半導体関連はレーザーテック(6920)やSCREEN(7735)など下げる銘柄が散見され、任天堂(7974)やソニーG(6758)などゲーム株が逆行安となりました。
週足でみる三菱重工業の株価推移
図表は、三菱重工業(7011)の2023年12月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、出来高の推移です。
大局的には長い上昇相場が続いています。一方、2024年12月高値(2,485円)で上昇が一服し、短期的な調整局面に入っています。
13週移動平均線に続いて26週移動平均線を下回る動きが確認できます。高値からの調整幅が深くなると、テクニカル指標の悪化につながりやすくなるため、早急に13週移動平均線を上回り、2024年12月高値を始点に次の高値を通る抵抗線を超えていけるかが焦点となります。超えることができれば、高値もみ合いから一段高への期待が高まることになります。
一方、1月につけた直前安値(2,042円)を下回ったことで、調整局面が長引く可能性も高まった局面です。上昇トレンドは直前安値を切り上げる動きが継続することで形成されることから、直前安値を下回ると上昇トレンドが終了し、下降トレンド入りを疑うことになります。
また、昨年10月安値(2,023.5円)を始点に1月安値を通る支持線(ネックライン)を下回った点に注目です。ネックラインを下回ったことで、2024年12月高値を中心として両側に同水準の高値を形成する「ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップ」を形成した可能性も高まった局面です。日本では「三尊天井」が有名です。
ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップとは、数カ月かけて形成される天井パターンです。2番目の山(高値)が最も高く、1番目と3番目の山(高値)がそれよりも低く、かつ同程度の高さとなります。
ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップには出来高にも特徴があります。1番目の高値が最も出来高が多く、2番目の高値から3番目の高値にかけて出来高は減少していることが要件の1つになります。図表のケースでは、そのようなパターンを確認することができます。
ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップは、3つの高値の間に形成される谷(安値)をつないだネックラインを下回った時点で完成とみます。ただ、週足では1週間程度だけの動きではダマシの可能性もあるため、2~3週間程度続くことが必要です。
三菱重工業の株価は先週の時点でネックラインを下回ってしまいましたが、3月相場の初日となった3日取引で大幅高となり、ネックライン上を早々に回復しました。
先述したように、早急に13週移動平均線を上回り、2024年12月高値を始点に次の高値を通る抵抗線を超えていく場合、ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップを回避し、相場は一段高につながることが予想されます。
一方、週間ベースの終値でネックラインを下回ったり、先週の安値(1977.5円)を早い段階で下回る場合は、天井パターンとなり、2024年9月安値(1,593円)や8月安値(1,250円)を試す動きに進展してくことが予想されます。