先週の日経平均は続伸、3週ぶりに38,000円台を回復
先週の日経平均は続伸、3週ぶりに38000円台を回復しました。立会い3日間の中で上昇したのは4月29日だけでしたが、あとの2日間は下げたものの日足は陽線で終えるなど底堅さを示す格好となりました。
連休直前の5月2日の日経平均は前日比37円安で終了。東証プライムの売買代金は概算で4兆2,000億円。値上がり銘柄数645に対して、値下がり銘柄数は936と値下がり優位の展開となりました。業種別では電気・ガス、不動産、保険などが上昇した一方、海運、空運、倉庫・運輸などが下落しました。
売買代金上位では、レーザーテックへ決算好感の買いが続いたほか、住友商事や伊藤忠など大手商社の一角が堅調。東京電力HDや北海道電力が円高・原油価格下落が材料視され、押し目買いなどを通じて大幅高となりました。
日足でみる日経平均の推移
図表は、日経平均株価の2023年12月29日の大納会からの日足のローソク足に加え、10日・25日・75日移動平均線を挿入したチャートです。下方のグラフはオシレータ系指標で代表的な相対力指数といわれるRSI(9日ベース)の推移です。
日経平均は1月4日の大発会の安値(32,693円)を起点に三段上げで3月22日に史上最高値(41,087円)をつけたあと、調整局面入りとなっています。
一方、右肩上がりが続く75日移動平均線を割り込んだあたりからは押し目買いなどで下げ渋る様子がうかがえます。
4月後半は日足のローソク足で陽線と陰線を繰り返す場面もありましたが、4月26日からは4日連続で陽線を形成するなど、売り先行でも買い優勢で持ち直す底堅さが目立つようになりました。
史上最高値からの調整で上向きから下向きに転じた10日移動平均線がようやく横ばいになり始めており、再び上向きに転じるかが注目されます。25日移動平均線は依然として下向きが続くことが予想されますが、短期の10日移動平均線の上向きへの変化は相場好転の1つのサインになりえます。
一方、下方のグラフで示したRSI(相対力指数)は30%を下回ると売られ過ぎ、70%を上回ると買われ過ぎなどを判断するオシレータ系指標です。株価の直近安値からの上昇に歩調を合わせるように売られ過ぎのゾーンから上昇し始め、2日現在で50%を上回るまでに上昇していることがわかります。50%を上回る水準は過去9日間のうちで上昇した日の値幅が下落した日の値幅を上回ったことを意味し、これも相場好転の1つのサインになりえます。
依然として史上最高値を起点とした短期波動は下落トレンドが続いているとの見方が基本になりますが、4月24日の直近高値を終値で上回ることができれば上値余地は拡大するでしょう。ただ、下向きの25日移動平均線が株価の上値抵抗となりやすく、同線まで上昇後に再び下落基調に転じることも予想されます。
連休明けの日経平均は米国株高や円高一服などを受けて買い先行が予想されますが、5月相場の上昇継続のためには、早期に4万円を回復するなど25日移動平均線を上向かせる(好転させる)ほどの強い動きが必要となります。