週明けの日経平均は大幅続伸
週明けの日経平均は大幅続伸。6日の米国株が良好な5月の雇用統計を受けて大きく上昇したことを好感し、寄り付きから200円を超える上昇となりました。後場はこう着感が強まる場面が続きましたが、7日ぶりに38,000円台を回復して取引を終えました。
東証プライム市場の売買代金は概算で3兆4,600億円。値上がり銘柄数814に対して、値下がりは738銘柄と、やや値上がり優位の展開でした。業種別では、医薬品、その他製品、銀行などが上昇した一方、パルプ・紙、鉄鋼、金属製品などが下落しました。
個別では、米国で大型グロース株が買われた流れを受けて、アドバンテスト(6857)やソシオネクスト(6526)など半導体株が大幅上昇。ソフトバンクG(9984)が5%近い上昇と強い動きを見せたほか、証券会社が目標株価を引き上げたセイコーグループ(8050)が大幅上昇となりました。一方、日本製鉄(5401)やJFEHD(5411)など鉄鋼株が全般軟調。トヨタ自動車(7203)、ホンダ(7267)など自動車株に下落銘柄が多く、関税リスクを抱えている業種が弱い展開となりました。
週足でみるアドバンテストの株価推移
図表は、アドバンテスト(6857)の2022年8月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎ、あるいは相場の勢いなどをみるオシレータ系指標で代表的な相対力指数のRSI(9週ベース)の推移です。
大局的な流れとしては、2022年10月安値(1,650円)を起点に大きな三段上げの上昇波動が確認できます。今年1月高値(10,430円)まで上昇した後は急落に近い動きとなり、昨年4月安値(4,952円)の下値のフシを下回る調整となる場面がありました。
現在は、今年4月につけた年初来安値(4,703円)を起点に戻りを試す展開となっており、13週移動平均線を上回り、先週時点で26週移動平均線まで戻る強さを見せています。
週明け9日は一段高となり、26週移動平均線を上回る展開となりました。週末の終値ベースで26週移動平均線上を保てるかが注目ポイントとなります。
一方、昨年11月~今年2月頃まで高値圏で形成したもみ合い水準に差し掛かっており、戻り待ちの売り圧力が強くなることが予想されます。4月以降、連続陽線などでほぼ一本調子で上昇してきたこともあり、短期的には過熱感も否めません。
すでに上回っている13週移動平均線は下落から上昇に転じることが予想されますが、26週移動平均線は依然として下落基調が続く可能性が高く、これも株価が伸び悩む要因になることが考えられます。
RSI(9週ベース)では9日現在で84.4%と、80%超の買われ過ぎの過熱圏まで上昇しました。過熱圏入りと株価の高値とは必ずしも一致するわけではないですが、上述した要因なども総合的に考慮した場合、まもなく上昇一服が予想されるところです。
一方、13週移動平均線が上昇に転じることで同線が下値サポートになるほか、長期トレンドを示す52週移動平均線は長く上昇基調を続けています。
これまでも高値からの調整時は52週移動平均線がサポートになってきた経緯があるため、今回も高値から短期的な調整局面入りとなった場合は、52週移動平均線上で押し目買いの判断ができるかもしれません。
4月以降の上昇幅が大きいため、近い将来は移動平均線の短期線が長期線を上回るゴールデンクロスの買いシグナルが出現することも予想されます。
しかし、13週移動平均線まで下落してもサポートされず、同線を下回るような強い下落相場が到来することも考えられます。その場合は、4月安値に向けて下値を試す展開につながる想定が必要になってくるでしょう。