週明けの日経平均は5日続落、後場にかけて大きく下げ幅を縮小
週明け9日の日経平均は5日続落。米国株安や円高進行を受けて、序盤はリスクオフの様相が強まりましたが、1,100円超下げて35200円台に入ったところで売りが一巡し、後場にかけて大きく下げ幅を縮小する展開となりました。
東証プライム市場の売買代金は概算で4兆600億円。値上がり銘柄数536に対して、値下がり銘柄数は1074となり、値下がり優位の展開となりました。業種別では、空運、精密機器、食料品などが上昇した一方、輸送用機器、保険、海運などの下落が目立ちました。
売買代金上位の個別では、メルカリ(4385)、さくらネット(3778)、第一三共(4568)、セブン&アイHD(3382)などが大幅上昇。原油価格下落を受けた燃料安への期待からJAL(9201)、ANA(9202)の空運大手2社が堅調に推移しました。一方、半導体株が軒並み大幅安。トヨタ(7203)やいすゞ(7202)など自動車株が円高への警戒から売りに押されました。米長期金利の低下を嫌気し、三菱UFJ(8306)、第一生命(8750)など金融株も軒並み安となりました。
日足でみる第一三共の株価推移
図表の上位は、第一三共(4568)の2024年3月26日からの日足のローソク足に加え、25日・100日・200日移動平均線です。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎなどをみるオシレータ系指標で代表的なストキャスティクス(9-3-3)の推移です。
今年4月に発表した25.3期通期の連結純利益予想や自社株買いの発表などが材料視され、4月17日安値(4,443円)を起点とした上昇に弾みがつく格好となりました。
5月以降も緩やかに水準を切り上げる展開でしたが、8月上旬の急落で6月19日安値(5,244円)を下回り、下値模索の場面がありました。
一方、上昇基調が続く200日移動平均線をサポートに8月5日に安値(4,790円)をつけ、翌日6日からは急速に切り返す動きが確認できます。7日までには、ストキャスティクスは売られ過ぎの水準から上昇して買いシグナルを発しました。6月19日安値からの反転上昇局面にも見られた買いシグナルです。
8月30日には6,257円まで上昇し、7月31日の年初来高値(6,208円)を更新しました。日経平均は7月の高値を上回っていない一方で、日経平均採用銘柄でありながら相対的に強い動きが今後の注目ポイントとなります。
現在は年初来高値からの短期的な調整局面ですが、週明け9日は上昇基調が続く100日移動平均線をサポートに4日ぶりに陽線を形成しました。
8月上旬の急落で6月19日安値を下回ったことで当面の調整入りが懸念されましたが、8月の戻りが大きく、直近の高値を切り上げたことで、4月以降の上昇基調が続いていることが確認できました。
今週中にでも、25日移動平均線を明確に上回ることできれば、短期的なもみ合いを経て、年初来高値更新も期待できるかもしれません。
一方、25日移動平均線に上値を抑えられる状況が続く場合、25日移動平均線が再び下落基調に転じることにつながり、6月19日安値付近まで調整幅が拡大する展開もあるでしょう。