8日の日経平均は反発、4万円を前に伸び悩む
先週の日経平均は堅調な流れの中でも、4万円の心理的節目を前に伸び悩む展開となりました。11月6日-7日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)では大方の予想通り0.25%の利下げが決定され、米国の長期金利は低下。結果を受けてS&P500とナスダックが史上最高値を更新しました。その流れを好感して、8日の日経平均は400円を超える寄り付きとなったものの、13時台半ばにはマイナスに転じる場面がありました。
東証プライム市場の売買代金はSQ算出日ということもあり、概算で5兆2,600億円まで膨らみました。値上がり銘柄数632に対して、値下がり銘柄数971と値下がり優位の展開でした。業種別では、サービス、その他金融、情報・通信などが上昇した一方、パルプ・紙、輸送用機器、ゴム製品などが下落しました。
個別では、上方修正や増配を発表した古河電気工業(5801)が場中は値が付かずストップ高比例配分。業績好調が確認できた味の素(2802)、ラウンドワン(4680)が急伸しました。一方、業績懸念と円安一服から自動車株が軟調に推移。下方修正を発表し、通期の純利益見通しを取り下げた日産自動車(7201)が6%を超える下落となりました。ローム(6963)や太陽誘電(6976)が失望決算を発表して急落しました。
週足でみる古河電工の株価推移
図表は、古河電気工業(5801)の2017年4月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎ、勢いなどをみるオシレータ系指標で代表的な相対力指数のRSI(9週ベース)の推移です。
大局的な流れとしては、2017年11月高値(7,230円)からの大きな下落相場が一巡し、2020年3月安値(1,620円)を始点に戻りを試す展開が続いています。
2021年2月高値(3,115円)まで上昇した後は値幅をともなった調整と日柄調整が続きましたが、2024年に続く上昇局面で2021年2月高値を上回り、2020年3月安値からの二段上げ目に入ったことを確認しました。
5月の年初来高値(4,419円)からは大幅調整となりましたが、2021年2月高値を起点とした水平の支持線付近で下げ止まり、支持線付近での値固めを経て上昇が再開しました。
先週、11月7日に発表した通期利益見通しの上方修正が好感され、8日はストップ高となり、年初来高値を一気に更新する流れにつながっています。
年初来高値を更新したことで、2020年3月安値を起点とした二段上げ目の波動は一段高が見込める段階に入ってきました。RSI(9週)の過熱圏に入りなどから短期的な調整は想定しながらも、当面は2017年11月高値に向けて上値余地を探る展開が予想されます。
8日のストップ高によって、週足ローソク足は極端に長い陽線を形成しました。長い陽線を形成したことで、13週移動平均線が前週までの低下から上昇に転じ、上昇基調が続いている26週移動平均線を下から上抜けるゴールデンクロスの買いシグナルの点灯が予想されます。短期的な過熱感から下押す場面があった場合は、13週移動平均線が押し目買いのポイントになることが考えられます。