週明けの日経平均は反発、終値で39,000円台乗せ
週明けの日経平均は反発しました。注目された米5月雇用統計で非農業部門雇用者数(NFP)が大きく上振れし、米10年債利回りが大幅に上昇。一方、米主要3指数は小幅安にとどまり、円安が進行したことから日本株への影響は限定的でした。日経平均は前日終値を意識したスタートから上値を伸ばす展開となり、終値ベースで5月23日ぶりの39,000円台を回復して終えました。
東証プライム市場の売買代金は概算で3兆3,200億円。値上がり銘柄数1,326に対して、値下がり銘柄数は286と値上がり優位の展開となりました。業種別では、保険、石油・石炭、倉庫・運輸などが強い上昇となった一方、下落は海運のみとなりました。
売買代金上位では、レーザーテック(6920)やソシオネクスト(6526)など半導体株の一角が強い上昇となったほか、証券会社の目標株価引き上げなど好材料が複数あった日立製作所(6501)が大幅上昇となりました。米長期金利が上昇して円安・ドル高に振れたことから、メガバンクや自動車関連などへの買い戻しが目立ちました。一方、北海道電力(9509)や海運大手3社が軟調だったほか、OLC(4661)や花王(4452)などの下げが目立ちました。
週足でみる花王の株価推移
図表は、花王(4452)の2018年5月中旬からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線を挿入したチャートです。下方のグラフはオシレータ系指標で有名な相対力指数(RSI)の9週ベースの推移です。
2018~2020年にかけて形成した9,000円台前半高値からの下落調整局面にありましたが、2022年3月安値(4,663円)で底値を打った可能性が高いと判断できます。
2022年3月安値からの上昇後の下押し局面で、安値が2023年5月につけた4,877円にとどまったからです。ただ、それだけでは判断できません。さらに、安値と安値の間に形成した戻り高値を上回る必要があります。
この場合、2022年8月につけた6,297円が戻り高値に相当します。2022年8月高値を上回ったことで、2022年3月安値を起点とした下値を切り上げる上昇波が確認できたことになります。
現在の株価と移動平均線の関係をみると、上から「株価→13週移動平均線→26週移動平均線→52週移動平均線」の順番に並んでおり、2022年3月までの「52週移動平均線→26週移動平均線→13週移動平均線→株価」とは全く逆の順位に変化したことがわかります。これは、下降相場から上昇相場に変化したことを意味しています。
当面は、上昇相場の中で上値余地を探る局面が続くという判断ができます。一方、過去に形成した7,000円前後の安値のフシに到達し、上値が重くなっている状況が確認できます。買われ過ぎや売られ過ぎを判断する相対力指数(RSI)も80%以上まで上昇し、過熱感を示唆しています。
つまり、投資判断としては、当面の上昇相場をイメージしながらも、短期的には13週移動平均線や26週移動平均線まで押し目を入れる可能性が高いことが予想できます。