週明けの日経平均は反落も38000円台を保つ
週明け26日の日経平均は反落。米国株式市場はジャクソンホール会議でパウエルFRB議長から利下げを示唆する発言が出てきたことを受けて堅調に推移しましたが、円高進行を受けて日本株には逆風の一日となりました。一方、取引時間中は38,000円を割り込む場面もありましたが、押し目買い意欲も強く、引け値ベースでは38,000円台を維持して終えました。
東証プライム市場の売買代金は概算で3兆3,200億円。値上がり銘柄数773に対して、値下がり銘柄数は830となり、値下がり優位の展開となりました。業種別ではパルプ・紙、空運、不動産などが上昇した一方、輸送用機器、銀行、ゴム製品などが下落しました。
個別では、ニトリHD(9843)、神戸物産(3038)、セリア(2782)など円高メリット銘柄が大幅上昇。米金利低下を受けて三井不動産(8801)や住友不動産(8830)など不動産株が堅調に推移しました。
一方、米半導体株の上昇でも東京エレクトロン(8035)やアドバンテスト(6857)が大きめの下落となったほか、トヨタ自動車(7203)、日産(7201)やマツダ(7261)など自動車関連が軒並み安となりました。売り出しを発表したヤマハ発動機(7272)が5%を超える下落。円高でインバウンド需要が落ち込むとの警戒から三越伊勢丹HD(3099)など百貨店株が軟調に推移しました。
週足で見る神戸物産の株価推移
神戸物産(3038)の株価推移を週足チャートで確認してみましょう。2003年11月にも採り上げた銘柄です。
図表1の上位は、2021年2月頃からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎ、あるいは相場の勢いなどをみるオシレータ系指標で代表的な相対力指数のRSI(9週ベース)の推移です。
過去の分析では、2021年9月の上場来高値(4660円)から2022年5月安値(2752円)まで大きな値幅を伴う調整が生じました。しかし、2021年6月安値(2671円)を割り込むことなく、その後は短期底を切り上げる展開が続きました。
一方、今年の4月安値(3295円)は直前安値を下回り、安値を切り上げるリズムが崩れる格好となりました。そのまま、13週移動平均線などを上回れずに安値更新につながる場合、2023年12月高値(4185円)を起点とした短期下落調整局面入りから、2022年5月安値に向けて下値模索のシナリオが想定される局面だったかもしれません。
しかし、実際は13週移動平均線に続いて、26週移動平均線や52週移動平均線を上回り、8月26日には一時4356円まで上昇し、2023年12月高値を上回る展開となりました。
さらには、2021年9月の上場来高値を起点とする上値抵抗線も上回りました。これによって、13週移動平均線が26週移動平均線に続いて、52週移動平均線を上回るゴールデンクロスの強気シグナルが点灯する可能性が高まった局面です。
相場の勢いをみるRSI(9週ベース)は上昇を続けて過熱圏に入っていますが、過去の事例からは一段高への強気シグナルになる可能性が高いとみられます。短期的な調整を挟みながらも上場来高値更新のシナリオが想定できる局面になってきたと考えられます。