先週末の日経平均は反落、5日線を意識して下げ渋る
先週末の日経平均は反落。米国株安を嫌気して売りに押される展開となり、後場に入ると39,000円を割り込む場面もありました。ただ、400円超下げたところで売り圧力が和らぐと下げ渋り、5日移動平均線付近を意識して取引を終えました。
東証プライム市場の売買代金は概算で3兆5,600億円。値上がり銘柄数677に対して、値下がり銘柄数905と値下がり優位の展開でした。業種別では、空運、電気・ガス、精密機器などが上昇した一方、非鉄金属、その他製品、保険などが下落しました。
個別では、さくらインターネット(3778)や三井E&S(7003)が大幅上昇。三菱自動車(7211)、日産自動車(7201)、マツダ(7261)など自動車株の一角に資金が向かいました。証券会社の新規カバレッジが入ったイトーキ(7972)が急伸しました。一方、証券会社が半導体株に関して前工程装置銘柄の目標株価を引き下げたことで、レーザーテック(6920)、東京エレクトロン(8035)、KOKUSAI ELECTRIC(6525)などが軒並み安となりました。フジクラ(5803)や住友電工(5802)など電線株の下げも大きくなりました。
週足でみる三井E&Sの株価推移
図表は、三井E&S(7003)の2023年11月からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、週間ベースの出来高の推移です。
今年2月に生じた勢いのある強いモメンタム相場が3月上旬高値(2,898円)まで続いた後、比較的長い下落局面が続いています。
一方、8月の急落局面で安値となった843円は、2月からの強いモメンタム相場の始点が下げ止まりの目安として意識された可能性が高いといえます。
8月安値(843円)からの反発局面では13週移動平均線に戻りを抑えられる動きが続きましたが、直近安値となった10月安値(1,065円)からの反発局面では13週移動平均線を上回ったことが確認できます。
13週移動平均線だけではなく、株価調整によって同水準に収れんしていた26週移動平均線や52週移動平均線なども連続陽線を形成しながら突破し、トレンド転換に必要な強気シグナルが発生しました。
その過程で、8月の戻り高値(1,746円)の抵抗線①を上回り、8月安値と10月安値とでダブルボトムの底打ちパターンを形成しています。
ダブルボトムを形成した勢いが、5月高値(1,868円)と7月高値(1,746円)をつないで延長した抵抗線②を上方に突破する流れにつながりました。
10月安値を起点とした強い上昇によって、複数の強気シグナルが発生したことになり、今後の動向に注目です。
一方、直近は1,741円まで上昇しましたが、7月高値を前に伸び悩む展開となっています。10月安値を起点とした強い上昇に対する反動で短期的な調整も予想されますが、抵抗線①や抵抗線②、移動平均線などが押し目買いのポイントになるかが注目点となります。
押し目形成後に再び上昇し、7月高値を上回ることができれば、5月高値(1,868円)が次の上値めどになります。5月高値を上回ると年初来高値となった3月高値(2898円)が視野に入ることになるでしょう。
しかし、5月の高値をつけるまでは出来高がかなり多い局面でした。ここからさらに上値を伸ばすためには当時の買い方の戻り待ちの売りをこなす必要があり、当時と同じように出来高が増大していくかが重要なポイントになりそうです。