週明けの日経平均は大幅反発
週明けの日経平均は大幅反発となりました。先週末の米国株高を好感して、寄り付きから200円を超える上昇。幅広い銘柄に買いが入り、高く始まった後もしばらく上値を試す流れが続きました。39,000円を上回ったところで買いは一巡しましたが、ローソク足は7日ぶりに陽線で終えました。
東証プライム市場の売買代金は概算で3兆3,700億円。値上がり銘柄数1,290に対して、値下がり銘柄数304と値上がり優位の展開でした。業種別では、輸送用機器、医薬品、銀行などが大幅上昇。下落はその他製品、鉱業、海運の3業種のみでした。
個別では、円高一服が好感され、トヨタ自動車(7203)、SUBARU(7270)、スズキ(7269)など自動車株が大幅上昇。観測報道から日銀の1月利上げの可能性が高まる中、三菱UFJFG(8306)やみずほFG(8411)など銀行株が全般堅調。フジメディアHD(4676)、日本テレビHD(9404)、TBS(9401)など、足元で強烈に売り込まれていたテレビ局株に押し目買いが入りました。一方、川崎汽船(9107)など海運大手3社がそろって下落。NY原油の下落を受けてINPEX(1605)が売りに押されました。
週足でみるスズキの株価推移
図表は、スズキ(7269)の2022年2月ごろからの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線を挿入したチャートです。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎ、勢いなどをみるオシレータ系指標で代表的な相対力指数のRSI(9週ベース)の推移です。
大局的な見方としては、右肩上がりの強気相場が続いているという判断ができます。2022年前半に3月安値(879円)を起点に二番底(ダブルボトム)を形成し、強い上昇相場に発展していきました。
2022年11月高値(1,418円)でいったん上昇が一服し、ダブルボトムが確定したネックラインまでの揺り戻しを経て、短期的な保ち合い相場を形成しました。13週移動平均線上に抜け出す週足陽線がトレンド発生シグナルとなり、下値を切り上げる上昇相場につながったことが確認できます。
途中、スピード調整は何度が確認できますが、上向きで推移する26週移動平均線を割り込むと押し目買いで下げ渋り、高値更新を続けながら2024年7月高値(1,973円)まで上昇しました。
日本株全体の急落が生じた2024年8月には同社株も急落し、52週移動平均線を大幅に下回り、1,300円まで下げる場面がありました。しかし、週足ローソク足は長い下ヒゲをつけた陽線を形成し、週間の終値では52週移動平均線付近までしっかり戻したことがわかります。26週移動平均線を割り込むと押し目買いが入った当時と同様、上向きが続く移動平均線を割り込むと押し目買いの好機になるケースが多いといえます。
一方、急落によって、13週移動平均線は下向きに変化し、株価の戻りを抑える上値のフシとなりました。再び、52週移動平均線を下回りましたが、2024年11月安値(1,443円)を起点とした上昇で、2024年7月高値に迫る場面がありました。
13週移動平均線は再び上向きに変化し、26週移動平均線を上回る局面に入ってきています。26週移動平均線自体がまだ下向きであるため、短期線が長期線を下から上抜けるゴールデンクロスではないですが、すでに株価は52週移動平均線を超える強さをみせています。
直近高値(1932.5円)からの下落調整では、52週移動平均線が下値サポートになることが考えられます。52週移動平均線を下回った場合は、上向きに変化した13週移動平均線が次のサポート水準として参考になるでしょう。
一方、下向きの26週移動平均線が上向きに変化すると、短期・中期・長期線がともに上向きとなります。かつて、短期の保ち合いを上放れたあと、上向きながら「短期→中期→長期」の順に並ぶトレンド発生につながった経緯があります。
当時とは水準は違いますが、考え方は同じです。今回も大きな踊り場からトレンド発生につながれば、2024年7月高値を更新し、上値余地は広がることが予想されます。